常に目標達成できる“集中スパイラル”はどうやったら身に着く?トップ1%だけが実践している集中力メソッド(3/3 ページ)

» 2013年10月22日 10時00分 公開
[永田豊志,Business Media 誠]
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3.Single=マルチタスクを避け、一度に1つのことだけをやる

 皆さんは、同時に2つの映画を見て理解することはできますか? 同時に2つの音楽を聞くことはできますか? 同時に2人の話を聞くことはできますか? できませんよね。そう、人間の脳は素晴らしい処理能力を持っていますが、同時に処理できるのは1つのことだけです。

 生産性を高める手法として、複数の作業を同時にやるマルチタスキングがあります。コンピュータのように同じ時間に、2つ以上のことができれば確かに生産性は高まりますが、人間がやると1つに集中できずに、成果は上がりません。長年、日本語生活の中で英語をだらだら聞き続けているがうまくしゃべれない人も、ひとたび英語圏に引っ越せば1月くらいで滑らかに話せるようになるのと同じです。

 マルチタスキングは一見よさそうですが、結局はどちらも中途半端になってしまう可能性があります。そこで、シングルタスキングです。

 シングルタスキングのためにも、1つのことだけに集中できる環境を作ることです。机の上だけでなく、PCのデスクトップも同様に、余計なものを置かないようにしましょう。作業に必要のないものは出さない、関係のない情報は見れないようにしておきましょう。

4.Short=短い時間集中する

 集中の量は深さと時間の掛け算です。しかし深さのない集中をどれだけ長くやっても効果はありません。集中しているとき、その目的に一定以上の深さで没頭しない限り、成果は生み出せないのです。だから最初は短くてもいいので、集中の深さに着目してください。やがて慣れてくれば同じ深さのまま、時間を長くしていくことができるでしょう。最初は数分で構いません。15分も集中できれば合格ラインでしょう。まずは集中力が瞬断されないような環境を作って、望むことがベストです。

 集中力を途絶えさせる最大の敵はインターネットです。2013年度のIDCの調査によれば、1日のうちスマートフォンを手にしていない時間が1時間以内だと回答した人は調査対象者の63%もいるそうです。1日にFacebookにアクセスする回数は平均14回にも及ぶとか。SNSは楽しいですが、中毒性に注意をすべきです。

 本当に集中したいのであれば、私はオフラインをオススメします。集中力向上の第一歩はノイズを排除することですから。とはいえ、オフィスは常にオンラインの状態ですから、本当に集中して何かを作るときや構想を練るときには、私は近場のカフェに避難するようにしています。カフェであれば、話しかけられることも、セールスの電話を受けることもありません。タスクに集中できる環境です。

5.Smile=常に楽しむ、ポジティブな姿勢

 私は、中学まではバレーボール、高校から大学は音楽に没頭しました。特にギターを弾くのが死ぬほど好きで、弾いている間は食事もとらずに延々と熱中して弾いていたものです。誰しも、自分の好きなことへはすぐに熱中できます。

 しかし、いつも好きな事ばかりやる訳にもいきません。ましてや好きなことを仕事にできるなんて人は一握りです。

 だったら、どうするか? だったら、自分で自分の仕事を好きになりましょう。しかし仕事自体を好きになる必要はありません。その仕事をしている自分を好きになればいいのです。その仕事をやりきり、完ぺきに仕上げるかっこいい自分に惚れるのです。

 仕事自体ではなく、仕事をやっている自分を好きになること。「自分はできる」と自信と誇りを持つことです。これを心理学では「有能感」と呼んでいます。分かりやすく言い換えると「自分はできる」と思うことです。

 人は、周囲や他人に自分が影響を及ぼす存在でありたいと考える動物です。自分が行動の中心にいて、その決定にかかわりたいという想いがあります。自分が「決定に関わっており、自分が目的を達成できるという「有能感」を感じられるような場合、内発的動機付け(モチベーション)が最高潮に高まります。自分で決めた、自分でやりきった、そうした時に人間は、とてつもない集中力と前に進む推進力を得て、成功に近づくことができるのです。

 次回は、1日の集中リズムをどのように刻むのか、5Sを長い間実践していくときの注意点について説明したいと思います。お楽しみに!

連載『トップ1%だけが実践している集中力メソッド』とは

『トップ1%だけが実践している集中力メソッド』 『トップ1%だけが実践している集中力メソッド』(永田豊志・著、かんき出版・刊、ソフトカバー/216頁、本体1470円)

 成功者ばかりを生み出している幼児教育プログラムのエッセンスをヒントに、大人でも、仕事や夢の実現のために集中力を総動員させるための技術についてまとめたものです。集中力がもたらす奇跡を知りたい方は、ぜひ一読ください。

著者紹介:永田豊志(ながた・とよし)

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 知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。

 リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。

 ビジネスマンの「知的生産性の向上」をテーマに精力的に執筆・講演活動も行っている。近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』『ノート・手帳・メモが変わる絵文字の技術』(中経出版刊)、『すべての勉強は、「図」でうまくいく』(三笠書房刊)がある。

連絡先: nagata@showcase-tv.com

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