診断系アプリで、あなたと友人の個人情報が……個人情報そのやり方では守れません

Facebookを利用していると、相性診断や○○検定などのアプリを目にすることがあります。いくつかの質問に答えて、診断結果を投稿して楽しむというものですが、こういったアプリの多くが、あなたやあなたの友人の個人情報を狙っているので、利用には注意が必要です。

» 2014年02月26日 11時00分 公開
[武山知裕,Business Media 誠]

集中連載「個人情報そのやり方では守れません」について

本連載は、武山知裕著、書籍『個人情報そのやり方では守れません』(青春出版社)から一部抜粋、編集しています。

「同じパスワードを使い回している」「英文の迷惑メールがやたら届くようになった」「マンション投資などの勧誘電話が頻繁にかかってくる」「このところ、パソコンの動作が遅くなった気がする」――。

1つでも思い当たる人は要注意! あなたや家族の重要な個人情報が漏れているかも?! 意外なところから個人情報が漏れる時代、個人でできる最新の安全対策法を教えます!


診断系アプリで、あなたと友人の個人情報が……

 Facebookを利用していると、相性診断やキャラクター占い、●●検定といったアプリを目にすることがあります。これらは、いくつかの質問に答えて、その診断結果や占いの結果を投稿して楽しむというアプリです。

 「キャラクター占いによれば、私の運勢は、あの大人気の『ゆるキャラ』だった」というような投稿を見たことはありませんか?

 使ってみると楽しそうに思えるアプリではありますが、こういった診断系アプリの多くが、あなたやあなたの友人の住所や電話番号、メールアドレスなどの個人情報を狙っています。

 診断系アプリの多くは、利用の際に、あなたの住所や出身校、趣味などの基本情報やプロフィールなどにもアクセスする許可を求めてきます。

 診断結果を知りたいがためにうっかり許可してしまえば、そういった個人情報にアクセスされてしまい、ごっそりと抜き取られる可能性があるのです。

 収集される情報は、自分の情報に限りません。あなたの友達にもアクセスして情報を取得してしまいます。

うっかり使うと友達にも被害が拡大!?

 また、診断系アプリの多くは、Facebookのあなたの友人にも、あなたの意志とは無関係に、そのアプリを「おすすめのアプリ」として自動的に推奨する投稿を行います。

 あなたが知らないうちに、あなたに代わって友達にその診断系アプリの利用をすすめて、そこで同じように個人情報を収集していくのです。

 もちろん、すべての診断系アプリが悪質なものとは限りません。また、Facebookでは、個人情報を譲渡することや広告に利用することを禁止しています。

 しかし、悪意をもって作られた不正なアプリであれば、こうしたガイドラインを守るとは考えにくいでしょう。もっともらしい利用規約やプライバシーポリシーを用意していることもありますが、当てになりません。

 不正アプリの利用によって、個人情報を取得されてしまう仕組みを理解していない利用者もたくさんいます。その結果、「まあ、いいや」「●●さんのオススメなら大丈夫だろう……」と許諾してしまい、本人はもちろん、友達の個人情報までも収集され、拡散してしまうのです。

 診断系アプリは、今や誰でも自分で簡単に作って、Facebook上で公開できるようになりました。質問と診断結果を入力するだけで、診断アプリのできあがりです。

 アニメキャラクターなど勝手に著作物などを盗用し、あたかも公式サービスと見間違えるような悪質な診断アプリも出回っています。商品券プレゼントなどで利用を促すものもあります。

 Facebookを利用していて、この手のアプリに出会ったら、よほど信頼できる企業でない限り利用することは控えたほうが無難です。

※この記事は、2014年2月時点の各社サービス内容に基づいて執筆したものです

(つづく)

著者プロフィール:

武山 知裕(たけやま・ともひろ)

國學院大学文学部哲学科卒業。パソコン専門誌の編集、ニュースサイトのディレクターなどを務めた後、企業向けIT関連保険の啓発活動を展開。2004年に専門メディアを設立。現在、「Security NEXT」編集長兼、運営会社であるニュースガイア株式会社代表取締役。情報ネットワーク法学会、日本セキュリティ・マネジメント学会会員。


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