災害大国ニッポン――日本に住んでいれば、地震や台風といった災害への備えは常にしておきたいところ。本記事では、ITに関連した「普段からできる」災害対策グッズを4つ紹介しよう。
東日本大震災が起きてから、間もなく3年。この時期、震災関連の番組が流れると、家やオフィスの防災対策が気になってくる。万が一、仕事中に大災害が起こった時の備えはできているだろうか? 水は、トイレ対応は――。
昨今では食料や水の備蓄だけでなく、情報インフラの確保も重要視されており、IT関連の対策グッズも出そろってきた。本記事では、災害時に役立つ4つのIT関連グッズを紹介しよう。
大地震が起こったとき、まずどうするか――。普段から組織単位で確認しておくのが鉄則だが、実際の災害現場では状況が常に変化する。臨機応変に判断を下し、どう動くかを指示する必要に迫られることもあるだろう。
ここで問題になるのが、“どう指示を出すか”だ。メールで一斉配信する手もあるが、ネットワークが混み合っていたら相手に届けることができない。紙に手書きで指示を書き、コピーするのが現実的だが、停電してしまったらそれもできない。
そんなときに役立つのがリコーの「バッテリー搭載据置型プリンター複合機(RICOH SG 3120B SF)」だ。
この複合機は、充電式のバッテリーを備えており、停電してもバッテリーがもつ限りはコピー機能やプリント機能を利用できる。フル充電時には、1000枚までの連続印刷が可能だ(コピーなら500枚)。また、充電用のUSBポートが搭載され、3台までのスマートフォンを充電できるのも特筆すべき点だ。災害時の命綱ともいえるスマートフォンを充電できる手段があるのは大きな安心感につながる。
印刷スピードはカラー/モノクロともに両面印刷時で20枚/分のため、普段使いにも申し分ない。いざという時に備えて、オフィス内の複合機の1台を置きかえてみるのもよさそうだ。
たいていのオフィスでは、IP回線や固定回線の電話を利用しているため、携帯電話ほどつながりにくくなることはない、と言われている。しかし、大規模災害時には、安否確認のために回線が混み合い、発信規制がかけられることもある。
また、ACアダプタを必要とする電話機は、停電時に役に立たなくなってしまうのも気になる点だ。
こんな事態に備えて、普段はACアダプタを使う固定回線電話として、災害時には単三形乾電池を電源としたPHS回線電話として利用できる「イエデンワ2(WX05A)」(ウィルコム)の導入を検討してみるのはどうだろうか。
単三形アルカリ乾電池4本で8時間の連続通話が行える。待ち受け時間は800時間と約1カ月は使える計算だ。
いざというときに役立つだけでなく、普段使いで通話の節約ができるのもうれしい。ウィルコムの「誰とでも定額」に加入しておけば、月額980円で10分までの通話を月500回まで発信できる。固定回線から固定回線への通話を月500回行った場合、最低でも5000円が必要になるが、ウィルコムの誰とでも定額オプション加入中の通話なら、新ウィルコム定額プランSの基本料725円+オプション料金980円の合計1705円で済み、それ以外の費用がかからない。通常、ビジネスの電話が10分を超えることはまれなので、経費削減にもつながるはずだ。
筆者は東日本大震災のとき、安否確認のため携帯電話回線や固定回線から発信してみたがつながらず、PHS回線でのみつながったという経験がある。オフィスの電話を一部、PHSにするのも災害時対策として有効かもしれない。
寒い時期に災害が生じた場合、いかにして暖を取るかが生死にかかわることもある。それに備えて、安全に暖を取れ、煮炊きもできる小型のストーブを用意しておくのもいいだろう。
ストーブがITとどのように関連しているのか――。この「BioLite キャンプストーブ」は発電した電力でポータブル機器を充電できるスグレモノなのだ。
「BioLite キャンプストーブ」が発売されたのは2012年だが、専用のカセットが不要なこと、重さ947グラムと1キロを切り、サイズも500ミリリットルのペットボトルを一回り大きくした程度とコンパクトなこと、取扱いが容易なことなどから、現在でも人気は高い。
オレンジ色のパワーモジュールに熱電発電装置とファン、そしてリチウムイオン電池を内蔵している。ファンを回して銀色のストーブ部に送風することで、安定した火力を得られ、1リットルの水が4分で沸くという。余った電力は、搭載しているUSBポートで携帯端末に充電できる。
大容量のポータブルバッテリーを安価に購入できるような時代になったとはいえ、その電力は無限ではない。この製品であれば、割り箸や、落ちている木切れなどを火力としながら電力に変換できる。
ただし、6カ月以上使用しないとリチウムイオン電池が自然放電してしまい、ファンを回す電力を供給できなくなるため、6カ月ごとに外部電源から充電する必要がある。
今や、社内で現金や預金通帳と同じくらい重要なのがデジタルデータ。物理メディアだけでなく、PC内にも災害時にバックアップしておきたいデータがあるはずだ。
そんな災害時のデータバックアップ手段としてお薦めしたいのが、「耐火・耐水 USBポート付 デジタルデータストレージ(QE5551)」だ。扉にUSBポート(ミニBタイプ)がついており、金庫内に好みのポータブルHDDを設置すれば、USBケーブルを通じて金庫を開閉することなくデータをバックアップできる。
爆発テストや落下衝撃テスト、2時間耐火テストに合格しており、耐水機能も備える。扉は付属のキーとパスコードの入力で開閉する仕組みとなっており、普通の金庫として使うこともできる。
クラウドストレージサービスも利用しつつ、手元でも大切なデータをガッチリガードするのに強力な助っ人となることだろう。
ITインフラ、という観点で「災害対策グッズ」を紹介してきたが、生命を維持するのに役立つ商品も1つご紹介したい。デスク下に設置できる食料備蓄ラック「個人用防災備蓄ボックス そなえさん」だ。
社員全員分の食料を備蓄するとなると、それなりのスペースを確保する必要があるが、このラックを使えば、各自で必要な物を備えておける。また、そなえさんにキャリー機能を追加するオプション・キャリングセットを使えば、重い物資でも簡単に社外へと持ち出せる。
サイズは1日分の水・食料を収納可能なミニタイプ、1.5日分のコーナータイプ、3日分のユニットタイプを用意している。
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