PDFの注釈やマークアップツールは、アプリによっては一部のツールが表示できないこともしばしば。アプリによってどれくらいの差があるのか、Acrobatで作成したサンプルファイルを用いてチェックしてみよう。
最近はPDFで校正を行うケースも増えてきた。外出先でスマートフォンやタブレットを使って注釈やコメントを記入したり、あるいは注釈が書き込まれたPDFをスマートフォンやタブレットでチェックしたりと、日々PDFで校正のやりとりをしている人も多いだろう。
もっとも、スマートフォンやタブレット向けのPDFビューアの注釈機能は、表示の互換性がない場合も少なくない。例えばAcrobatで記入した注釈/描画マークアップ入りのPDFを開いた場合、一部のツールだけが表示されないことがある。注釈が一切表示できないなら非対応ということで諦めもつくが、表示されないのが一部のツールに限定されるため、なかなか問題が発覚しにくい。
しかもこの症状、かなり名の知れたビューアや、注釈機能を売りにしているアプリでも起こりうる。ソフトごとに拡張された仕様を読み込めないのが主な理由で、必ずしもアプリの欠陥ではないのだが、これを知らずに校正のやりとりを続けていると、重要な指摘を見逃すミスも起こりかねない。
今回は、Acrobat XI Proで記入した注釈および描画マークアップが、iPhoneのさまざまなアプリでどの程度意図通りに再現できるかをチェックしてみた。注釈のやりとりをする際の参考にしてほしい。なお、アプリはいずれも2014年3月12日時点の最新版を用いている。
本家のアプリということで互換性は完璧。取消や下線にはコメントがつけられていることを示すアイコンも表示される。
こちらも互換性は完璧。タップすれば各ツールにつけられたコメントも参照できる。
テキストボックスなどの罫線が表示されないほか、雲形は別の形状に置き替わる。
見た目は完璧だが、雲形や多角形は画像に変換されるため、それらに付与されたコメントは参照できなくなる。
見た目は完璧だが、アイコンが表示されている箇所を除き各ツールにつけられたコメントは表示できない。
独自形式の注釈を採用しており、Acrobatで記入した注釈はいっさい表示されない。
見た目は完璧だが、雲形や多角形は画像に変換される。またコメントは参照できなくなる。
Acrobatで記入した注釈はいっさい表示されない。
テキストボックスなどの罫線が表示されないほか、雲形は別の形状に置き替わる。コメントは表示可能。
見た目は完璧だが、ノート注釈を除きコメントが参照できなくなる。
Acrobatで記入した注釈はいっさい表示されない。
Acrobatで記入した注釈はいっさい表示されない。
テキストボックスなどの罫線や雲形、多角形が非表示になる。コメントは参照可能。画面に幅を合わせる表示に対応していない。
テキストボックスなどの罫線や雲形、多角形が非表示になる。コメントは参照可能。画面に幅を合わせる表示に対応していない。
テキストボックスなどの罫線や雲形、多角形が非表示になる。コメントは参照できるほか、別画面に書き出して音声読み上げが可能。画面に幅を合わせての表示が行えない。
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