「悪口言って100万円」の広告を出したユニクロ書くだけで人生がうまくいく嫌なことノート(1/2 ページ)

企業が気付かないうちにお客さまにしている「嫌なこと」を知る方法があります。それはお客さまからのクレーム。今回は、クレームを経営にうまく生かして成功している企業の例を紹介します。

» 2014年12月17日 05時00分 公開

連載:書くだけで人生がうまくいく嫌なことノート

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 この連載は書籍『書くだけで人生がうまくいく嫌なことノート』(アスコム)から抜粋、再編集したものです。

最近、「嫌なこと」はありませんか? 誰でも生きていれば、大なり小なり何かしらの「嫌なこと」にぶつかります。

 ・上司からのむちゃ振り
 ・料理が出てくるのが遅すぎるレストラン
 ・自分のミスを一切認めない先輩
 ・約束をドタキャンされた……

実は、「嫌なこと」には、あなたの人生を幸せにしてくれるヒントがたくさん詰まっているのです。

某有名企業は「嫌なこと」をビジネスに活用し、歴代の有名経営者は「嫌なこと」を経営に取り入れて成功してきました。

人生も同じ。より良い人生を送りたいなら、「嫌なこと」を活用しない手はありません。あなたも、手軽に「嫌なことノート」とともに、“人生革命”始めませんか?


「白い肌着は透ける」で復活したラクダ色肌着

 企業がお客さまにしている「嫌なこと」を知る方法。それがお客さまからのクレームです。クレームを経営にうまく生かして成功している企業の例をここでは紹介します。

 松下幸之助氏は著書『思うまま』の中で次のように語っています。

お客には、あまり文句を言わない人とあれこれ細かい注文をつける人の2種類がある。あまり文句を言わずに買ってくれるお客もありがたいが、よく考えてみると、よりありがたいのは苦情をよく言ってくださるお得意様ではなかろうか。その注文や苦情が、自分の商売ぶりや、商品の改善のために非常に役に立つからである。

 全国から大々的にクレームを集めたのがユニクロでした。ユニクロは1995年、全国紙の一面に「ユニクロの悪口言って100万円」という広告を掲載。約1万通の応募があり、実際に100万円を支払ったそうです。このコンテストの結果、ユニクロは大幅な顧客サービスの改善に成功しました。

 現在は、お客さまからの声は電話、メール、店頭、ハガキなどで集められ、お客さまの生の声を届けるために無加工のまま(個人情報は伏せて)、毎日、社長以下全社員にメールで配信しているそうです。ユニクロ広報によると、その声の数は1日に100〜200件になるそうです。

(出典:UNIQLO)

 そうした声から生まれたのが、肌着ブランド「エアリズム」のベージュ色です。ひと昔前は、「ラクダ色」と呼ばれて若者に敬遠されてきたベージュ色の人気が復活してきた背景には、クールビズがありました。薄着で過ごす機会が増え、「白の肌着は首回りも腕も透けて見えるのでなんとかしてほしい」という声がお客さまから寄せられたそうです。ベージュ色の肌着は肌に同化して、薄着でも透けて見えにくい特徴があります。早速ユニクロは、「エアリズム」の男性用にベージュ色を追加し、ヒット商品となっています。

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