類似のキーワードをまとめてグループを作ろう! 「図解式勉強法」基本テク:すべての勉強は図でうまくいく(2/2 ページ)
今回は「類似のものを囲んでまとめる」方法を説明します。意味のかたまりをつくるこの方法は、ヌケ・モレを防ぐ効果もありますよ。演習問題付き。
演習問題:EUの変遷を図解してみよう
次の文章はEU(欧州連合)の原点とも言える欧州各国の連携に関する動きです。時間の流れに沿って、その変遷を図解しましょう。
- 第二次世界大戦後、ベルギー、オランダ、ルクセンブルグの3国が「ベネルクス関税同盟」を発足
- その後、このベネルクス3国にフランス、西ドイツ(当時)、イタリアを加えた6カ国が欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)を設立。鉄鋼の関税を撤廃
- ECSC6カ国は欧州経済共同体(EEC)を設立
- その後、ECSC、EEC、そしてEuratom(欧州原子力共同体)の3つを統合し、EUの前身となるEC(欧州共同体)が発足
ここでは国名がキーワードの最小単位です。そして複数の国が参加する同盟は、参加国を囲んでグループ化し、共同体の名称を入れるようにします。矢印を描く場合には、時間の流れは左から右、あるいは上から下が基本です。
ちなみに、紙面の都合上省略しましたが、EFTA(欧州自由貿易連合)の加盟国や、ここには含まれない東欧からの参加国が加わり、2012年現在でなんと27カ国もの国が連合する巨大なEU(欧州連合)を形成しています。このように巨大な組織も、その形成の歴史を図解で振り返れば、組織の置かれている目的や参加国の思惑がよく理解できるのではないでしょうか?
次回は、1つのキーワードを分解して、複数につなげていく方法を紹介します!
集中連載『すべての勉強は、「図」でうまくいく』について
連載の内容は、2012年9月28日に発売の『すべての勉強は、「図」でうまくいく』(永田豊志・著、三笠書房・刊)から一部抜粋しています。
「図解思考」シリーズ、最強フレームワーカーへの道でおなじみの著者・永田豊志が、誠 Biz.ID読者の悩みである「勉強法」にまったく新しいアプローチで切り込みました。
勉強が苦手な人、覚えたり、まとめたりするのが苦手な人でも「図解式勉強法」を身に付けることで、理解力と記憶力が驚くほど向上! これまでの辛い、退屈な勉強法とはおさらば。新しい学習方法は、あなたに新しい人生の扉を開いてくれることでしょう。
目次
- 第1章:「図解」を使うと、なぜ頭がよくなるか?
これまでの学習方法がうまくいかない理由と知識を構造化する図解のメリット
- 第2章:「図解」の基本はたった“これだけ”!
理解力、記憶力が劇的に深まるキーワードをつなげて、まとめる方法
- 第3章:「図解」の応用で成果が10倍アップ!
6つの情報整理箱で学習効果が見違えるほどに
- 第4章:まとめノートの作り方
自分専用必勝教科書ができる
- 第5章:実力を飛躍的に高める習慣
プラスの循環が始まる法則
著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)
知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
ビジネスマンの「知的生産性の向上」をテーマに精力的に執筆・講演活動も行っている。近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』『ノート・手帳・メモが変わる絵文字の技術』(中経出版刊)、『すべての勉強は、「図」でうまくいく』(三笠書房刊)がある。
連絡先: nagata@showcase-tv.com
Webサイト: www.showcase-tv.com
Twitterアカウント:@nagatameister
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