動けないのなら、周囲の流れに身を任せてみよう:Re:Work !(2/2 ページ)
尊敬する人の言葉に“乗っかり力”というものがあります。言葉の通り、周囲の流れに乗っかってみることを示しているのですが、この力、どうやら悩み多きビジネスパーソンにこそ必要なもののように感じるのです。
乗っかるための流れが起きる場所
ではそもそも、そんな「流れ」がどこに起きるのか? という疑問。こればかりは、正直私にも分かりません。いつ、どこで、どんな流れが起きるのかは未知だからです。しかし現状に疑問や不満を抱いているのであれば、まず日常的な場所、例えば会社などからは外に目を向ける必要があると思います。そして自らの興味や関心に対して、正直に動いてみること。この一歩だけは、他の誰でもない自分自身で進む必要があるでしょう。
流れは人とのつながりから生まれます。そして流れを起こす人というのは、とにかくアクティブでチャレンジ精神に溢れているケースが多い気がします。つまり流れに身を任せるフェーズを脱し、自ら「動く」ことをためらわない人です。
流れに乗っかり、動くことで何かが変わる。「変わる」ことを知ると、今度は自らが流れを作る側になっていく。そんな循環が生まれる場所が、実は周囲にはたくさんあるのではないでしょうか。
例えば多くのフリーランスや起業家が集まる、コワーキングスペース。そこでは個々の仕事をこなすだけでなく、集まった人々の力で何かを生みだそうという積極的な動きがあります。何かアイデアがある、あるいは自分のスキルや経験を他でも生かしてみたいのならば、そうした場に足を運んでみても面白いかもしれません。本連載『Re:Work!』でも、いくつかそうした場のご紹介をしています。
あるいは、ゲームやスポーツなど自分の趣味に合った集まりを探してみる。趣味がなくても、何となく「面白そう」と感じれば十分。そこにはこれまで出会ったことのない人がいて、新しいつながりを得られます。
幸いにも今の時代、インターネットでそうした情報が山のように見つかります。中には怪しげな集まりもありますが、自分を変えていくことは昔より随分とハードルが下がったのではないでしょうか。実際私も、こんなにハマっているマラソンはTwitterがキッカケだったのですから。今では公私ともに充実する、大切な活動となっています。
場に足を運ぶ以外にも、気になるあの人にFacebookでメッセージを送ったり、ブログにコメントを載せたり……なんてこともできます。返信があるかどうかは分かりませんが、それだって大きな一歩です。そこにSNSという“場”があるのですから、その機能を使うこともまた、流れに乗ることの1つといえるのかもしれません。
私は7月末、「自分を変えたい」と連絡をくれた会社員時代の後輩とともに、ウルトラマラソンを走ってきます。彼にとっては、初めてのウルトラマラソン。実は私が昨年初めてウルトラマラソンを走った大会なのですが、約20時間に及ぶであろうコースの中で、彼はきっと多くの学びや気付きを得てくれると信じています。そしてその瞬間から、未来は変わっていくのでしょう。むしろ、エントリーした時点で何かが動き出しているのかもしれません。
未来は、自分で創り出すもの。次回は、もう少し「働く」ことについて具体的に考えてみたいと思います。
著者紹介:三河賢文(みかわ・まさふみ)
1983年岩手県生まれ、宮城県育ち。人材コンサルティング会社、Web関連会社での勤務を経て、2010年6月にナレッジ・リンクスとして独立。「時間の自由」を第一としたワークスタイルを実践中。多くのSOHOやフリーランスワーカーとパートナー関係を持ち、業務機会の提供を行っている。プライベートでは2人の子どもを持ち、マラソンやトライアスロンにも挑戦。ITやビジネス全般を中心とした執筆活動も行う。
- Twitter:Masafumi_m
- ブログ:葛飾から自由を届ける!起業家の挑戦記
関連記事
- 会社員はこんなにも恵まれている
会社員とフリーランスの両方を経験した身として、やはり会社員は恵まれていると思う。会社員には、会社員だからこそやれることがある。今の環境に感謝しながら、自分のために新たな挑戦をしてみてはいかがだろうか。チャレンジは、誰にだってできるのだ。 - 外資系企業で成功する人、失敗する人
日系企業と外資系企業のどちらの人事が“ドロドロ”しているだろうか。そんなことをひもといたのが『外資系企業で成功する人、失敗する人』(PHP新書)である。これは若手のキャリア必読書だ。 - 辞めません、でも頑張りません――「新・ぶら下がり社員」現る
【集中連載】「辞めません。でも、頑張りません」。そう考える30歳前後の社員が増えている。そんな彼らのことを筆者は「新・ぶらさがり社員」と呼ぶ。目的がないゆえに、会社では時間を「潰す」ことに明け暮れ、常に70%の力で仕事に取り組む。そんな彼らの実態に迫る。 - 新しい「自分の場所」を手に入れる
最近、シェアオフィスやコワーキングスペース、レンタルスペースなどと呼ばれるものが増えている。今回は会社でも自宅でもない、新しい「自分の場所」を手に入れられるサービスを3つ紹介する。 - 仕事以外に何がある? 会社を離れた時間の過ごし方
働き方には、人それぞれ「適性」がある。今回は仕事もプライベートも充実して過ごしているライフネット生命保険の堅田さんの話から、忙しい中でも時間を作り出す方法などを探ってみたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.