働くことを、一歩引いて見てみよう:Re:Work(3/3 ページ)
世の中を見ていると、人々はまるで自分の人生が仕事を中心に回っている。仕事とは人生を豊かなものとするための手段にすぎない。そういった考えがあってもよいのではないだろうか。
もっと自由に働こう
人生は、結局のところ自分のもの。反論も聞こえてきそうだが、私はそう思う。だからこそ、もっとわがままに生きたってよいのではないか。
もちろん人に迷惑を掛けたり、犯罪なんてもってのほか。しかし興味があったり、やってみたいと思ったことには、どんどん取り組んでみたら良い。仕事だってそうだ。上司に言われたことは絶対ではないし、今ある仕事が全てではない。意見があれば発信すれば良いし、求めるものが他にあるなら飛び出せば良い。
例えば不満やストレスを抱きながら今の仕事を続けようが、思い切って転職してしまおうが、その決断がどんな未来を引き寄せるのかは誰にも分からない。よく「リスクが」という話を聞くが、目を背けているだけで、現状維持にだってリスクはある。だから突然のリストラや給与カットに、人々は怒りを抱くのだろう。
「働く」ということは、もっと自由で良いのではないか。それはフリーランスのような働き方を言っているのではなく(もちろん、それも含むが)、社会において仕事を続ければ続けるほどに、視野が狭くなっているように思えてならないのだ。
私は会社員だったころ、異動願いを出したことがある。つまり、所属していた部署で働くという日常を拒否したのだ。人間関係によるところが大きかったが、「もうこの部署では働きたくない」と思ったから、そう伝えた。
その後、紆余曲折を経て転職した先も、「会社の経営そのものへ不信を抱いた」という理由から5カ月で退職。もちろんちゃんと引継ぎはしたし、周囲へ迷惑を掛けないよう最大限の配慮はしたつもりだ。
端から見れば、完全にわがままな社員。しかし私にとって、働くとはそういうものだ。自分の心身を削ってまで我慢する必要はないし、しかし雇われている上で、会社に対しやるべきことはやる。会社も私を選ぶし、私だって働く場として会社を選ぶ。働く人々が幸せでなければ、良い会社は出来ないと思うのだが、どうだろうか。
この先、どんな未来が待ち受けているかは分からない。もしかしたら、会社員で居続けたほうが良かったと思う日が来るのかもしれない。ただ少なくとも、今は働いていることが楽しいし、働くこと以外、例えば家族との時間やマラソンへのチャレンジも最高に楽しいと感じている。
ときには仕事から一歩引いて、楽に考える。頭の中を柔軟に、本来あるべき会社との関係、そして自由な働き方を目指してみるのも良いのではないだろうか。今の人生は、たった一度きりなのだから。
著者紹介:三河賢文(みかわ・まさふみ)
1983年岩手県生まれ、宮城県育ち。人材コンサルティング会社、Web関連会社での勤務を経て、2010年6月にナレッジ・リンクスとして独立。「時間の自由」を第一としたワークスタイルを実践中。多くのSOHOやフリーランスワーカーとパートナー関係を持ち、業務機会の提供を行っている。プライベートでは2人の子どもを持ち、マラソンやトライアスロンにも挑戦。ITやビジネス全般を中心とした執筆活動も行う。
- Twitter:Masafumi_m
- ブログ:葛飾から自由を届ける!起業家の挑戦記
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