5分で分かる、今週のモバイル事情10月28日〜11月2日

» 2006年11月02日 22時48分 公開
[遠藤学,ITmedia]

ソフトバンク孫社長、MNP受け付け停止を謝罪

 ソフトバンクモバイルは10月30日、10月28日と29日に番号ポータビリティ(MNP)手続きにトラブルが発生し、受け付けを停止した件で記者会見を行った(10月31日の記事参照)。

 先週末に番号ポータビリティ手続きを停止したのは、新規契約/料金プラン変更/新料金プランの申し込みが集中し、さらに複雑な解約処理が必要な番号ポータビリティの転出が重なったことで、システムに輻輳が発生。約束通りの時間で処理できなくなったために手続きが停止された、と説明した。

 対応策としては、「11時〜13時、17時〜19時の受け付けのピーク時には番号ポータビリティに関する業務を優先する」「番号ポータビリティの他キャリアへの転出は21時20分まで受け付ける」などの施策を行うことを明らかにしている(10月30日の記事参照)。

 会見した孫正義社長は、ユーザーと他キャリアに迷惑をかけたことについて「受け入れ能力が足りなさすぎて、ご迷惑をおかけしたことは確かに反省している」と謝罪。一方で「ディズニーランドもオープン初日には人が押し寄せて入れない人もいるほどだった。MNPの本質である“流動性を高める”という点では貢献している」との認識を示した。

「INFOBAR 2」のプロトタイプがお披露目

 KDDIは、東京・原宿のKDDIデザイニングスタジオで「INFOBAR展」を開催し(10月31日の記事参照、「INFOBAR 2」のプロトタイプを披露した。プロトタイプは5色がラインアップされ、ガラスケースの中に入った形で展示。ケースの上には同サイズのイメージモックも置かれ、手にとってサイズや色、質感などを試すことができる。製品化の時期は未定。

 また、同スタジオでは「Trilogy展」も同時開催している(10月31日の記事参照)。こちらは「MACHINA」や「HEXAGON」などを手がけたコンセプター、坂井直樹氏のプロデュースのもと、田村奈穂氏の「cypres」(シプレ)、ブラッドリー・フレイザー氏の「Kaos」(カオス)、ロス・ミクブライド氏の「vols」(ボルズ)といった、新たなau端末のコンセプトモデル3機種を展示している。

クアルコム、FLASH-OFDMのデモを実施

 クアルコムジャパンは10月31日、同社が“Pre 802.20”と位置付ける次世代のモバイルブロードバンド技術「FLASH-OFDM」のデモを実施した(11月1日の記事参照)。実証実験は東北大学と宮城県、ソフトバンクテレコムが主体となって行っており(2005年7月の記事参照)、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)がシステムの構築を担当する。

 FLASH-OFDMは、モバイル環境下でIPのパケットを効率的に伝送することを目標に、1998年にベル研究所で開発された通信技術。FLASH-OFDMの概要を説明したクアルコムジャパンの川端啓之氏は、欧州でT-Mobileの子会社などがFLASH-OFDMの導入を積極的に進めていることを取り上げ、「もしかしたらFLASH-OFDMのユーザーはすでにWiBro(韓国で採用されているモバイルWiMAX技術)のユーザーを超えているのではないか」と話した。

KDDIとグリー、携帯向けSNS「EZ GREE」を11月中旬より提供

 KDDIとグリーは、モバイルSNS「EZ GREE」を11月16日より開始すると発表した(10月30日の記事参照)。EZ GREEは、PC版GREEのSNS機能(友人の招待、プロフィール公開、日記の作成・公開、コミュニティの作成・公開、友人検索など)に加え、次世代インフラ「CDMA2000 1x EV-DO Rev.A」をいかした動画公開機能や、新サービス「EZ ニュースフラッシュ」「au My Page」などとのシームレスな連携も可能とするケータイSNSだ。

 2006年度末から2007年度にかけては、音楽やニュース、GPS機能、携帯アドレス帳、アフィリエイトなど「+SNS」を軸とする双方向/リアルタイム系のサービス拡充を予定する。

3GとPHSを組み合わせた定額データ通信「Doccica」登場

 日本通信は10月31日、3GとPHSをシームレスに切り替えながら使用できるデータ通信サービス「Doccica(ドッチーカ)」シリーズを発表した(10月31日の記事参照)。3G接続用とPHS接続用の2枚のデータ通信カードと接続用ツール、データ通信料とインターネット接続料がセットになったもので、価格は6カ月間で15万〜20万円を想定している。発売時期は未定。

 Doccicaは、広いエリアで利用できるPHS通信と、高速データ通信が可能な3G通信を接続ツールによりセッションを維持したまま切り替えられる。エリアに応じてPHS/3Gのどちらを利用するかを選べるほか、自動で切り替えることも可能。また、3G使用時とPHS使用時では消費電力に数倍の差があることから、ノートPCのバッテリー残量に合わせた接続先設定を自動で行う仕組みも備わるという。

ウィルコム、W-ZERO3[es]新バージョンや「nico.」抗菌モデルを発表

 ウィルコムは、Windows Mobile搭載のスマートフォン「W-ZERO3[es]」の新バージョン「W-ZERO3[es] Premium version」を11月16日、ネットインデックス製のW-SIM対応シンプル端末「nico.(WS005IN)」の抗菌モデルを11月下旬より発売する。

 W-ZERO3[es] Premium versionは、W-ZERO3[es]と基本スペックは同一ながら、新たに「名刺リーダー」機能と携帯のメニューに似た「ホームメニュー」を搭載する。nico.抗菌モデルは、JIS Z 2801に準拠した抗菌処理を施しており、PHSの低電磁波、低SAR値となる特性とあわせて、医療機関などでの利用に向く仕様として投入される。

ドコモ、“デュアルOSケータイ”の仕様策定

 NTTドコモは10月31日、米インテルとの共同研究により、企業ユーザーが選定・開発したOSやアプリケーションを自由に搭載できる携帯電話機の仕様を策定した(10月31日の記事参照)。NTTドコモ広報部では今回の仕様策定について、あくまで研究開発に向けた仕様の取り決めであり、この仕様による端末の投入時期や販売形式などはまだ未定としている。

 その上で「複数のOSで起動できるPCのように、目的に合わせてOSやアプリケーションを組み合わせられる携帯電話の開発を念頭にしたもの。法人ユーザーのネットワーク環境に合わせた携帯端末を、今以上に容易に開発できるようになる」(ドコモ広報部)とコメントした。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.