基板、ひび、ヒップフラスク──auのコンセプトモデル3種がお目見え

» 2006年10月31日 12時24分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 KDDIが東京・原宿のKDDIデザイニングスタジオで開催中の「Trilogy展」で、新たなau端末のコンセプトモデル3機種を披露した(10月16日の記事参照)

Photo KDDIデザイニングスタジオの3階で開催中のTrilogy展

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 Trilogy展は、「MACHINA」や「HEXAGON」などを手がけたコンセプター、坂井直樹氏のプロデュースのもと、3人のクリエーターがデザインした携帯電話を展示するイベント。MACHINA/HEXAGONのデザインにもかかわった田村奈穂氏が「cypres」(シプレ)を、カシオやNECなどのプロジェクトに参加しているブラッドリー・フレイザー氏が「Kaos」(カオス)を、プロダクト/インテリアデザインの世界で活躍するロス・ミクブライド氏が「vols」(ボルズ)をデザインした。

 今回のコンセプトモデルは、携帯デザインを生業としていないクリエーターが生み出した端末であることがポイントだという。これまでの携帯電話にない新たな可能性を見いだすのが狙いで「携帯を知りすぎているプロだとなかなかできない、新しい表現」を目指す。

 展示会場には来場者の意見や感想、要望を集めるアンケートボックスが用意され、寄せられた声を参考にしながら製品化を検討するという。

それぞれに個性的な3モデル

 田村奈穂氏が手がけたcypresは、素材そのものが持つ美しさを表現した端末で、むき出しの基板をデザインに取り入れた。端末にはBluetoothで接続する小さなデバイスが付属し、本体をバッグの中にしまったままでも時間や新着メールを確認できるという。

Photo 田村奈穂氏の「cypres」。ペンダントトップとして使うことも想定した小さなデバイスと端末がセットになっている

Photo cypresの基板にはシルバーの塗装が施され、ジュエリーのように輝く。基板を取り巻くアクリルとのコンビネーションが斬新だ

 Kaosは、家具やインテリアなどの分野でトレンドとなっているカオス的な表現を携帯デザインに取り入れたもので、不規則なひびが端末に個性を与えている。端末の背面には、銀色のデバイスが取り付けられており、外すと音楽プレーヤーになるという利用シーンを想定している。

Photo ブラッドリー・フレイザー氏の「Kaos」

Photo 自分撮り用のミラーやキーの形、マイクやスピーカーも外装のひびと一体化している

Photo 端末の右側面にmicroSDカードスロットが見える。左側面のディスプレイ脇にはマナーモード/音声メモボタンが見える

Photo 裏面にはめ込むことができる銀色の小型音楽プレーヤー(左)。メインディスプレイの奥にはインカメラらしきものが見える(右)

 volsはヒッププラスクをイメージした携帯電話。端末を上に引き出すと、表にディスプレイ、裏にカメラがカメラが現れる仕組みだ。新着情報やバッテリーゲージなどのステータスは、端末上部に備えられたディスプレイで確認するという。

Photo ロス・ミクブライド氏の「vols」

Photo 1919年から1933年、アメリカで禁酒法が施行されたことでヒット商品となった携帯用の酒瓶をイメージしたデザイン。持ち歩くのに最適な形として考えられたヒップフラスクを携帯電話のデザインに取り込んだ

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