総務省が「SIMのみ契約」のMNP優遇を問題視 端末値引きは規制緩和の可能性も?

» 2025年12月17日 16時14分 公開
[田中聡ITmedia]

 総務省の情報通信行政・郵政行政審議会と電気通信事業部会 市場検証委員会が12月12日、「利用者視点を踏まえたモバイル市場の検証に関する専門委員会(第1回)」を開催した。

 この専門委員会は、電気通信事業法第27条3の規制の在り方や、規制の効果を検証するために設置されたもの。

 電気通信事業法第27条3は、「行きすぎた囲い込み」や「通信と端末の分離」を規定したもの。行きすぎた囲い込みでは、解約金の上限を1000円とし、契約拘束できる期間を2年までとする。通信と端末の分離では、通信契約の継続を条件とする端末値引きを一律禁止し、通信契約の継続を条件としない端末の値引きは4万4000円までに制限している。こうしたルールにより、通信料金の高止まりやユーザー間の不公平感を解消することを目指している。

電気通信事業法第27条3 電気通信事業法第27条3の規制内容と目指すもの

 一方で、専門委員会では顕在化している問題についても指摘する。通信契約の継続を条件としないSIMのみ契約については、2万2000円までのキャッシュバックが可能だが、この特典は新規契約よりもMNPが優遇され、高額の還元を受けられる傾向にある。その結果、キャッシュバック目当てにMNPを繰り返す「ホッピング」が発生していることを指摘する。

 専門委員会では、ホッピングを抑えるために、MNO各社が対策を講じるべきだと提言する。例えば、ユーザーIDなどを通じて、一定期間内に再度転入してきたユーザーに対しては、キャッシュバックを行わないといった措置を挙げる。

電気通信事業法第27条3 SIMのみ契約でMNPを優遇したことによる短期解約を問題視している
電気通信事業法第27条3 ドコモはSIMのみ契約で最大2万ポイントの還元を行っているが、新規契約だと5000〜1万ポイントの還元にとどまる
電気通信事業法第27条3 auもMNPで1万5000円相当、新規契約で1万円相当の還元と差がついている

 専門委員会は今後、関係者にヒアリングを実施し、電気通信事業法第27条3で目指した「事業者間の適正な競争環境の実現」「ニーズに沿った通信サービスの選択」「ユーザー間の不公平感や通信料金の高止まりの解消」が達成できたかを検証していく。その上で、「27条3の規制の最小化を図ることが可能か」も検討する。また、先述した短期解約の問題についても、課題や対策について検討していく。

 ヒアリングは2026年1月に実施し、効果検証を行った後、2026年夏頃に市場検証委員会とモバイル市場専門委員会が「取りまとめ案」を出す予定。

電気通信事業法第27条3 今後の検討事項で、規制の最小化についても議論していく
電気通信事業法第27条3 2026年夏頃に取りまとめ案を出す

 ユーザーに直結するところでいえば、検討内容に「規制の最小化」が挙がっていることから、端末値引きの上限4万4000円が緩和される可能性はある。現在も、ミリ波対応端末は6万500円までの割引が認められているが、条件によって割引上限金額がアップする可能性はある。一方で、MNPを条件としたSIMのみ契約のキャッシュバックは、短期解約を防ぐためにMNPと新規契約で特典をそろえ、結果的にMNPの特典が減額される可能性もある。

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