巨人は開幕ダッシュに成功したが、新人監督の手腕は「賛否両論」赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)

» 2016年04月13日 12時23分 公開
[臼北信行ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4       

チームに“嫌われ役”がいない

 もう1つ気になることがある。チーム内に鬼軍曹的な役割を果たすコーチが不在なことだ。原前監督の時代にはヘッドコーチとして川相昌広現三軍監督や伊原春樹氏がいた。いわゆる“嫌われ役”がいると、チームにはピリッとした緊張感が生まれる。連敗が続いたときなど何らかのカンフル剤を打つ必要性が出てきた際、やはり厳格な精神を兼ね備えるコーチの存在は大きい。

 今季のコーチ人事の組閣は高橋監督の意見が強く浸透しているとの情報もある。もしかすると、選手受けのいい村田真一ヘッドコーチを現職に置いたのはやはりソフト路線を徹底させる心構えの表れだったのかもしれない。いずれにしても、アキレス腱とならないことを祈るばかりだ。 

 最後に先に触れた対メディアの面で高橋監督には、ひとつ注文を付けさせていただく。メディアを通じてウィットに富んだ言葉を発してもいいのではないかと思う。実際に取材したことがない人はピンと来ないかもしれないが、高橋監督の報道陣に対するコメントは少々キツい言い方をすればほぼ「通り一辺倒」。まだ監督1年目であることを考えれば、それも仕方がないのかもしれない。ただ、メディアの向こう側には多くのファンもいる。人気球団の巨人で監督を務める決意をしたのだからファンサービスを行う上でも、そのメディアをうまく利用して情報発信をする責務があるはずだ。ぜひ、ご一考をお願いしたい。

 さまざまな面で試行錯誤しながら今後も新生巨人を引っ張っていかなければいけない高橋監督。ビジネスの世界でも、この春から新任のリーダー的立場となった人は数多くいるはずだ。巨人の1年生指揮官が苦難を乗り越え、成長していく姿をこれからもぜひ見て欲しい。

前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.