ハリル前監督の解任については、JFA幹部の責任問題がウヤムヤのままに至っている。「西野監督は続投すべきだ」「西野監督が辞めるならば、田嶋会長も“凍結”されているハリル解任の責任をトップとして取らなければいけない」――。ざっと見渡す限り、これらのようにネットユーザーたちの意見はその多くが厳しい内容だ。
ハリル氏の招へいに動いた元技術委員長・ナショナルチームダイレクターの霜田正浩氏(現レノファ山口FC監督)は解任騒動ぼっ発前の昨年11月の時点でJFAを自ら退任しているが、この去就に関しても「権力争いで犬猿の仲だった田嶋会長との関係が降格人事を言い渡されるなど深刻になり、職務を全うすることも困難になったから」ともっぱらだ。
JFA関係者の間からは「そもそも田嶋会長は自分に反目していた霜田氏、そして彼が招へいしたハリル前監督は異分子ととらえていた。だからハリル体制に終止符を打ったときは、悪い流れを止めるために自分が断を下したのだからなぜ責任を取る必要性があるのか、逆に評価してほしいぐらいだと開き直っている姿勢まで見えたぐらい。加えて代表チームが決勝トーナメントに進出したのだから、辞める気持ちなどサラサラない」との証言も聞こえてきている。
そういう田嶋会長絡みのキナ臭い話が伝わってくるからこそ、次期日本代表監督候補に大物招へいプランが急浮上というセンセーショナルなニュースを見聞きしても「指揮官の人事で自分の責任問題を目くらましにするつもりではないのか」と多くのサッカーファンたちから疑いをかけられてしまうのである。
次の日本代表監督を早く確定させなければいけないという流れは、ある程度理解できる。ただ今回は大会直前にハリル解任という前代未聞のドタバタ劇があったことを加味すれば、明るみに出るタイミングが余りにもよくない。ハリル解任の理由が「選手とのコミュニケーション不足」であった以上、いくら大物とはいえクリンスマン氏、あるいはベンゲル氏であっても次の日本代表監督に外国人が招へいされるとしたら「また二の舞を踏むのでは」とツッコミを入れられるだろう。
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