また、クラウドサービス(※3)を提供するITサービス事業者も増えている。クラウドサービスを上手に使えば、初期導入・開発・運用・保守のコストや手間を大きくかけることなく、ITを導入、利活用できる(図表4)(図表5)。その効果として、バックヤード業務の効率化や、サービス品質、付加価値、顧客満足度の向上等が見込まれる(図表6)。
さらなる技術革新や、新しいITサービスの普及が進む中、中小企業にとっても、今まで以上にITで事業を革新するチャンスが広がっている。
一部の中小企業では、既に積極的なIT導入や利活用を通じた成果が見られているものの、中小企業全体で見ると、決して取り組みが進んでいるわけではない。商工中金が2017年7月に実施した、取引先の中小企業に対するアンケート調査(※4)によれば、ホームページの開設等は一定進んでいるようだが、既存システムのクラウド化、クラウドサービスの利用(クラウド化)を実施しているのは、まだ約2割に過ぎない(図表7)。中小企業にとって便利な技術・サービスが増えてきたとはいえ、クラウドサービスの活用等、一歩進んだIT活用にはまだハードルがあるようだ。
※3 クラウドサービス(クラウドコンピューティング)とは、大規模データセンターにおいて仮想化等の技術を用いてコンピュータの機能を用意し、それをインターネット経由で自由に柔軟に利用する仕組みの総称。企業や個人が個別にコンピュータやアプリケーションを所有して利用するのに比べて、ITに関する開発や調達や運用・保守の負担が軽減され、コスト削減にもなる技術、サービスとして注目されている。(独立行政法人情報処理推進機構「中小企業のためのクラウドサービス安全利用の手引き」より)
※4 商工中金 中小企業のIT活用に関する調査(2017年7月調査)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング