インタビュー
» 2018年09月19日 08時00分 公開

東京で「フードトラック」が、どんどん増えている秘密水曜インタビュー劇場(ランチ公演)(3/8 ページ)

[土肥義則,ITmedia]

ビルオーナーが場所を貸してくれない

土肥: フードトラックで働くことでいろいろなメリットを感じられたわけですが、その一方でデメリットも見えてきたのではないでしょうか?

柏谷: はい。多くのシェフは「営業できるところがない」または「少ない」ことに悩んでいました。道路に出店すると道路交通法などに反するので、おいしい料理を提供して行列ができても、警察に追いかけられてしまう。こうした課題があったので、困っているシェフが多い。じゃあ、自分たちがビルオーナーに営業をして、場所を借りればいいじゃないかと考えました。毎日違う料理を提供すれば、死んだ目で弁当を食べている人も楽しむことができるのではないか。といったことを考え、2016年に創業して「TLUNCH」というサービスを始めました。

土肥: このビジネスがうまく回れば、3者が“おいしい”わけですよね。フードトラックのシェフは営業できる、そして売り上げを伸ばすことができるかもしれない。同じようなモノを食べている人は、毎日違うメニューを楽しむことができる。空きスペースがもったいないなあと感じているビルオーナーは収益がアップする。ビジネスモデルを研究している書籍に掲載していそうな事例ですが、サービス開始当初はどのような反響だったのでしょうか?

柏谷: 「この事業は絶対に成功する!」と考えていました。フードトラックは数カ月で130台ほど集まったのですが、誰も場所を貸してくれなかったんですよね。なぜ貸してくれないのかよく分からなかったので、ワタシも営業することに。しかしアポがとれるどころか、会ってもくれません。このままではいけないということで、フルメンバーで飛び込み営業することにしました。

土肥: ビルオーナーにとっていい話だと思うのですが、なぜ貸してくれなかったのでしょうか?

柏谷: ビルは何十億円、何百億円もかけて建てているのに、敷地内にお祭りなどで見かけるカッコ悪いクルマを入れたくないといった声がありました。このほかにも、貸したくない理由はたくさんありました。食中毒などが発生した場合はどうするのか、法律は守っているのか、ゴミはどうするのか、何か破損した場合はどうするのか、テナントに入っている飲食店と競合するが、どうするのか。

 またビルオーナーは大きなお金を動かしているので、お弁当が売れてその収益を……といった話をしても、ケタ違いの案件なので興味を示さない傾向がありました。こちらの話を聞いてくれても、最後に「で、実績は?」と聞かれて、「まだ0台です」「10台になりました」と答えても、話にならないといった対応もありました。

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