インタビュー
» 2018年09月19日 08時00分 公開

東京で「フードトラック」が、どんどん増えている秘密水曜インタビュー劇場(ランチ公演)(2/8 ページ)

[土肥義則,ITmedia]

フードトラックで修行する

土肥: 都内の中心部を歩いていると、フードトラックを見かけるようになりました。キッチンを兼ね備えたクルマで、プロのシェフがランチを振る舞ってくれる。料理のラインアップも多彩で、和食、イタリアン、多国籍料理などを楽しむことができるのですが、よーく見ると、看板などに「TLUNCH」と書かれている。TLUNCHとは、フードトラックとオフィスビルをマッチングさせるシェアサービスのことですが、このビジネスを始めようと思ったきっかけを教えてください。

柏谷: 以前、ワタシはIT企業を経営していまして、お昼休みに周囲の人間を見ると、みんな“死んだ目”をしてコンビニ弁当を食べていたんですよね。もちろんコンビニ弁当がおいしくないといった話をしているのではなくて、まるでなにかの作業をしているかのように食べていました。じゃあ自分はどうなのか。彼・彼女らと同じように死んだ目で弁当を食べていました。

 自分は食べることが大好き。以前はランチの時間がとても楽しみで、オフィスの外でよく食べていました。しかし、いつの間にか、新しい店を開拓するのが面倒になっていたんですよね。昼休みといっても仕事をしているので、遠くの店に行くことができません。徒歩5〜10分以内のところでなければいけないので、月日が経つと同じような店ばかり行ってしまう。

 そうなると「ここの店はこんな味ね」「あそこの店のメニューは食べ尽くした」といった感じになって、だんだん外で食べなくなる。そして気が付けば、オフィスの近くにあるコンビニに足を運んで、同じような弁当ばかり買う。空腹を満たすための作業を繰り返していたんですよね。

 「これはよくない。なんとかしなければいけない」と考えたものの、自分は飲食業で働いた経験がなかったので、具体的に何かアクションを起こすことができませんでした。そんな悶々とした日々を送っていたところ、ある人がフードトラックの存在を教えてくれました。お祭りの日などに食べることができる「焼きそばとかたこ焼きが出てくるんでしょ」と思っていたのですが、とてもおいしいパエリアが出てきたんですよね。このとき「なぜこんなおいしいモノを食べることができるのか」とびっくりして、その勢いでフードトラックで修行することに。

土肥: ええっ、修行? でも、そのときはIT企業を経営していたんですよね。

柏谷: 「タダでいいので働かせてください!」と言って、ランチタイムに会社を抜け出してお手伝いしていました。なぜフードトラックでおいしい料理を提供することができるのか。働いてみて分かったのですが、一般的な店舗をオープンする際、改装費や保証金などで1000〜2000万円ほどかかりますが、フードトラックの場合は200万円ほどで始めることができる。一般的な店舗よりも安く営業できるので、原価にお金をかけることができるんですよね。また、クルマのなかは広くないので、メニューを増やすことが難しい。こうした背景があって、多くのシェフは自分の得意メニューを安く提供していることが分かってきました。

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