インタビュー
» 2018年09月19日 08時00分 公開

東京で「フードトラック」が、どんどん増えている秘密水曜インタビュー劇場(ランチ公演)(5/8 ページ)

[土肥義則,ITmedia]

データを分析すると、料理人は成長する

土肥: Mellowは単にマッチングをさせているのではなく、フードトラックのデザインなどを統一させ、オフィスビルの景観を損なわないようにしました。このほかにもさまざまなことに取り組んでいますが、最大の特徴は「kitchen」というシステムを導入したことだと思うんですよね。日々の売り上げが入力されて、拠点別の売り上げが分かる。最も売れたところはどこか、最も売れなかったところはどこか、直近4週間の平均売上額なども把握できるわけですが、その情報からどんなことが明らかになってきたのでしょうか?

柏谷: 例えば、日本橋にはたくさんオフィスがありますが、昔からあるところが多くて、年齢層の高い男性がたくさん働いています。40〜50代の男性が多いこともあって、洋食よりも天ぷら料理を好む傾向があります。表参道の場合、アパレルショップや美容関連で働いている女性が多いこともあって、無添加でスパイシーな南インドカレーがよく売れていますね。お台場の場合、観光客がたくさんいることもあって、魚の定食屋さんが少ない。こうした背景もあって、魚料理がよく売れていますね。

 どういう料理の店をどこに配車すると、売り上げはどのように変わるのか。最適化するためにデータを分析しているのですが、数字は社内の人間だけでなく、フードトラックの料理人にも公表しているんですよね。例えば、銀座の場合、平日6台のクルマが展開しているわけですが、6台×5日で週に30台が営業している。そのなかで一番売れている店はどこか、一番売れていない店はどこか、平均でどのくらい売れているのかといったデータを見ることができる。なぜ料理人にも売り上げデータを公表しているかというと、彼らが成長できるから。

土肥: データを見ると、料理人が成長できる? どういう意味でしょうか?

柏谷: 自分の店の売り上げが伸び悩んでいるとき、料理人はどのようなことを考えるのか。場所のせいにする傾向があるんですよね。「自分の店が売れていないのは、この場所が悪いからだ」と。でも、そのように考えると、なかなか伸びないんですよね。

 売り上げが伸びないのは、場所が悪いから――。このように考えると、接客に問題があってもそのままだったり、料理をおいしくする工夫をしなかったり、デザインや見せ方を変えなかったり。でもデータを可視化すれば、他社と自社の売り上げの差が分かる。その数字を見ると、悪いのは場所ではなく、自分であることを認識する。そして、何かを変える。

土肥: なるほど。データを公表することで、料理人はPDCAを回すわけですね。で、売り上げは伸びたのでしょうか?

柏谷: フードトラックの1店舗・1日当たりの平均売上額(2017年度)を見ると、対前年度比で144%でした。

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