土肥: ここからはちょっと厳しめの質問を。クルマと違ってバイクは自立しませんよね。停車中または停車しようとする際に車体を足で支えることができず、「立ちごけ」してしまうかもしれません。また運転が苦手な人は事故やトラブルを引き起こす可能性が高くなるわけですが、バイクレンタルを始めるにあたってこのような不安はなかったでしょうか?
花倉: 「ない」と言ったらうそになるので、いまも「あります」。ご指摘の通り、普段バイクに乗っていない人が立ちごけをするかもしれませんし、使われる人数や件数が多くなると、大きな事故が増えるかもしれません。実際に調査したところ、借りようと思っている人の心配・不安の上位に「バイクを壊してしまったらどうしよう?」「弁償するとなれば、高いよね」といった声がありました。
こうした不安に対して、どのような対応ができるのか。基本料金に「任意保険」と「車両補償」を付けました。詳細については資料を見ていただきたいのですが、バイクの修理が必要になった場合でも、免責金額を設定しました。万が一、大きな事故を起こしても、負担金額の範囲内であればこちらで補償しますよといった形で対応しています。
それでもまだ不安をぬぐえない人もいると思うので、免責オプション(有料)を用意しました。これは独自の補償制度で、出発前に支払っていただければ、修理が必要になってもお客さんの負担はありません(免責オプションで免除されるのは、修理費用のみ。営業補償、対物賠償保険免責金額は対象外)。
土肥: ふむふむ。長くバイクに乗っていないリターンライダーにとっても、安心して借りることができるわけですね。ただ、実際にレンタル事業を運営してみないと、分からないことがたくさんありますよね。過去のデータや他社の事例が参考になるかもしれませんが、どのくらいの割合で事故が起きるのかはよく分かりません。
花倉: ですね。さまざまな情報を参考にして計算しているのですが、想定の範囲を超えて事故が起きてしまうのか、それとも範囲内に収まるのか。利用件数が増えていくなかで、検証していかなければいけません。
土肥: あと、料金についても避けて通れません。126CCを借りようすると、8時間で1万300円、24時間で1万2800円もする。レンタカーの料金と比べると、明らかに高い。ちなみに、某レンタカーの料金を見ると、コンパクトカーを24時間借りても6000円ほど。バイクレンタルの価格が高いのは、やはり保険の料金が大きく影響しているのでしょうか?
花倉: 先ほど申し上げたように、利用者の不安を払しょくするために保険を手厚くしました。そのぶん、どうしても料金に反映してしまって……。ただ、利用件数が増えていけば、料金を抑えることができるかもしれません。そのためには利用者を増やさなければいけませんし、利用しやすい環境をつくっていかなければいけません。
- 6畳弱の狭い物件に、住みたい人が殺到している理由
6畳弱の狭い物件が人気を集めていることをご存じだろうか。物件名は「QUQURI(ククリ)」。運営をしているピリタスの社長に、その理由を聞いたところ……。
- 「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
渋谷駅から徒歩5分ほどのところに、ちょっと変わったカプセルホテルが誕生した。その名は「The Millennials Shibuya」。カプセルホテルといえば安全性などを理由に、男女別フロアを設けるところが多いが、ここは違う。あえて「男女混合フロア」を取り入れているのだ。その狙いは……。
- なぜ「スーツみたいな作業着」をつくって、しかも売れているのか
スーツのような作業着「WORK WEAR SUIT(ワークウェアスーツ)」が売れている。製造しているのはアパレルメーカーでもなく、作業着メーカーでもない。水道工事などを行っている会社がつくったわけだが、なぜこのような商品を開発したのか。その狙いを聞いたところ……。
- なぜ地図で「浅草寺」を真ん中にしてはいけないのか
地図を作成している編集者に、2枚の地図を見せてもらった。1枚は浅草寺が真ん中に位置していて、もう1枚は浅草寺が北のほうにある。さて、実際に地図に掲載されているのは、どちらなのか。答えを聞いたところ、予想外の結果に!?
- 700台のカメラを設置して、スーパーの「トライアル」は何を分析しているのか
スーパーマーケットの「トライアル」が、近未来を感じさせられる店舗を構えた。店内には700台のカメラを設置して、人の動きや商品棚をウォッチしているという。最先端の技術を導入して、どんなことが分かってきたのか。
- 東京で「フードトラック」が、どんどん増えている秘密
平日の昼。毎日同じようなモノを食べていて、飽きているビジネスパーソンも多いのでは。そんなランチ難民とも言える人を救うかもしれないサービスが登場している。フードトラックと空きスペースがあるオフィスビルをマッチングさせるサービスで、そこで提供されるランチを利用する人が増えているのだ。
- なぜ伊藤忠は18年ぶりに「独身寮」を復活させたのか
伊藤忠が18年ぶりに「独身寮」を復活させた。業績低迷を受けて、2000年に社有の寮を売却したのに、なぜこのタイミングで建てたのか。建物は7階建てで、部屋は361室。国内最大級の寮のナカはどうなっているのかというと……。
- サラリーマンの味方「切腹最中」は、なぜ1日に7000個も売れるのか
お詫びの手土産として、多くのサラリーマンが購入する「切腹最中(せっぷくもなか)」をご存じだろうか。1990年に発売したところ、当初は注目されていなかったが、いまでは多い日に7000個以上売れている。「切腹」という言葉が入っているのに、なぜヒット商品に成長したのか。
- アタリの店はどこ? サラリーマンが愛する「立ち食いそば」事情
ランチや仕事の合い間に「立ち食いそば店」に入ったことがある人も多いのでは。「アタリ、ハズレが大きい」なかで、どこがオススメなのか。雑誌『極上 立ち食いそば』の編集者に、アタリの店を紹介してもらった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.