バイクは事故が多いのに、なぜヤマハは「バイクレンタル」に挑むのか水曜インタビュー劇場(ブルンブルン公演)(5/6 ページ)

» 2018年10月03日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

シェアリングやサブスクリプションの可能性

土肥: そもそもバイクレンタルの市場規模はどのくらいあるのでしょうか?

花倉: その数字、私たちも知りたいんですよね。レンタカーの場合、協会があってそこがきちんと数字をまとめられているのですが、バイクレンタルの場合、そのような統計がありません。事業を始める前に「市場規模はどのくらいあるのか?」などを調べなければいけないのですが、その数字がなくて困りました。いろいろな業者さんに話を聞かせていただいて、貸し出し件数は年数十万台と試算しています。

土肥: 目標シェアはどのくらいに設定しているのでしょうか?

花倉: いえ、そのようなことは考えていません。既に運営されているところと一緒になって、この市場を大きくすることができればなあと。現在の市場を食い合うのではなくて、「バイクを借りて乗ってみよう」という人を増やすことにチカラを入れていかなければいけません。

土肥: 今回はレンタル事業を始めたわけですが、近い将来、シェアリングのことも考えているのでしょうか?

花倉: 現時点で、そのような構想はありません。ただ、今後のトレンドがどのようになるかは分かりません。カーシェアリングが拡大しているように、バイクにもそのような動きが出てくるのかなあとも感じています。

土肥: サブスクリプションはいかがでしょうか。月々いくらで、乗り放題といったサービスは考えられるのでしょうか?

花倉: クルマの場合、お客さんはさまざまな用途で使われますよね。レジャーで使う人もいれば、ビジネスで使う人もいれば、荷物を運ぶために使う人もいる。一方のバイクはどうか。ビジネスで使う人もいれば、荷物を運ぶために使う人もいると思いますが、圧倒的に多いのはレジャーなんですよね。

 そうした状況を考えたときに、サブスクリプションでやっていけるのかどうか。お客さんは支払った金額に対して、どこまで満足していただけるのか。そのバランスを考えなければいけません。現時点で、なにも考えていないので、なんとも言えません。

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