海外からの観光客が過去最高を記録し続けている。地方を訪れる訪日外国人も多く、観光の文脈では「地方創生」という言葉が定着してきた。一方で「地方創生」が自治体や企業にとっても「補助金獲得のマジックワードになっている」とさまざまなところで指摘されてもいる。武市さんも長年にわたってこの庭園を造ってきたのだから、補助金を原資にすることもできたはずだ。
「俺はね、助成金は一度ももらわなかった。だからこそいいたいことがいえるし、やりたいことができるんだよ。助成金をもらうと、誰かにお金を出してもらうわけだから、自分のアイデアをつぶされることも出てくる。でも、何かを作る人にとっては、アイデアというのは実に大事なものである場合が多い。ということは、お金をもらうこと以上に損をすることにもなりかねないよね」
武市さんいわく、助成金は「必要なことの何分の1かしか出ない」。だから1度もらったらその後2度3度と必要になる。そうなると、大事なアイデアに差し障りが出てくるのだ。
「役所の人はカネと口は出すけれども、その道のプロではない。だから本当に何かを成し遂げたいと考えれば、なんぼ苦しくてももらわないんだ。助成金をもらっている人はお金を出した人の言いなりになっている。プロとして生きるために一番大事なアイデアを削がれている。目先のアメ玉に飛びつくのが良いことじゃないんだよ」
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