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オホーツク“夢の庭”と生きる77歳「花の神様」から教えられたこと60年以上かけて築き上げた「遺産」(7/7 ページ)

» 2018年10月19日 08時30分 公開
[今野大一ITmedia]
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「今まで生きてきた中で今が一番」 生涯現役貫く

 武市さんは、「今まで生きてきた中で今が一番」だと言う。「俺の人生でね。人と比べて、ではないよ。始めた当時はお金も入ってこないし身体も壊しかけた。山だった場所に道を作るんだから大変だよ。果てしないことに思えた。でも続けてきたからこそ、今になってその積み重ねが生きてくる。だから今が幸せになるんだ。これからも自分の命が続く限りこの花園を作り続けるよ。でも俺が死んだら終わりだ。生涯現役を目指すには『自分で』やらないとダメなんだよ」

 武市さんは77歳、独身だ。陽殖園も「俺一代のもの」と言い切る。武市さんが一から作り上げた広大な「へんてこ植物園」も、彼が亡くなれば管理する人はいなくなるのだ。

 武市さんが生涯をかけて守りたいものは何なのだろうか。東京から遠く離れた北海道の地で、仕事とは何か、生きることとは何なのかを問いかけられた気がした。武市さんは来年の開園を目指して、今日も「庭」をいじり続けている。

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phot 通り道も武市さんが数十年かけてスコップとつるはし、手押し車で切り開いてきた
phot 左の赤い花がリクニスカルセドニカ。右の紫の花はエゾクガイソウ
phot ヒョウタンボクの実。一見食べられそうだが猛毒を持っている
phot 天然の木のアーチ
phot スマートフォンで撮影してInstagramに投稿する人もいた
phot 小島池
phot 白いヒメウツギ
phot 参加した来園客は武市さんの話に聞き入り、写真撮影をしていた
phot 陽殖園で武市さんが交配して作り出したピンク色のサクラバラ
phot 玉咲ノコギリソウ
phot フウロソウ
phot ホタルブクロ
phot 手前がヤナギラン。奥がエゾクガイソウ
phot 左が桃葉キキョウ。右はギボウシの葉
phot ピンピネラ
phot 左下の紫色の花はヤナギラン
phot 右上は桃色ヤナギラン。右下はクラウンベッチ
phot アジサイ
phot 陽殖園は山の中にある
phot 雨水によってできた湿地
phot 細い道を登りながら見物する
phot ツアー参加者に語り掛ける武市さん
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