アイコス用たばこはどう作っている? スイスの工場と研究所に行ってきた新型デバイス登場でシェア拡大なるか(2/6 ページ)

» 2018年10月23日 11時30分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]

ブラジルやイタリアなどから収穫

 工場に足を踏み入れると、商品用や、安全性を評価する試験用のヒートスティックを製造する数々のマシンが目に入ってくる。アイコス専用のタバコ葉が詰め込まれた、1箱当たり130キロもの段ボール箱も所狭しと積まれている。

 アイコス用のタバコ葉は、ブラジルやイタリアなどから収穫され、運ばれている。独自の吸い心地を実現するため、紙巻きたばこには使用されていない銘柄も含まれているという。

photo スイス・ヌーシャテルのたばこ工場の内部(提供:PMI)

 その中でひときわ目を引いたのは、ピラミッドを逆さまにしたような逆三角形の機械だ。その内部では約1500キロのタバコ葉が約45分間混ぜ合わせられ、各銘柄がムラのないようにミックスされる。

 ムラなく混ぜられたたばこ葉は、さらに細かくパウダー状に切り刻まれた後、水やグリセリン、両者を結合させる天然由来の成分「グアーガム」と一緒に、別の機械で再度混ぜ合わせられる。

切り刻むだけではなくシート状に加工

 アイコスのヒートスティックに含まれるタバコ葉は、燃やさず加熱するだけでしっかりとした吸い心地を味わえるよう、切り刻むだけでなくシート状に加工されている。

 このシートをつくるため、水やグリセリンと混ぜられたタバコ葉は、温度を12〜13度、湿度を8〜9%に維持した環境で乾かされる。次に、ミシンなどで使われる糸巻き用の道具「ボビン」を巨大化したような機械で巻き取られ、紙のように薄いシートに成型される。

photo ボビン状の機械でタバコ葉シートを巻き取る様子(提供:PMI、スイス・ヌーシャテルの工場内部とは異なります)

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