土肥: Twitterの日本語版は2008年4月にスタートして、そのころは「リプライに何を書けばいいの?」「RT(リツイート)って、どうやって使うの?」といった会話をよく耳にしました。テクノロジーに詳しい人を中心に広がった記憶があるのですが、そんな状況のなかで、キングジムは10年2月に公式アカウントをスタートさせました。現在、企業が情報を発信するのは当たり前となっていますが、当時はどういった経緯で始めたのでしょうか?
妹: キングジムはどのような商品を扱っているのか。主力商品に「キングファイル」や「テプラ」などがあって、法人向けが多いんですよね。企業や自治体などでの認知度は広まっているのですが、個人はまだまだ。「キングジム」と聞いても、「なにそれ? スポーツジムなの?」といった感じで、認知度はものすごく低かったんですよね(編集部注:いまも誤解している人は多いそうで)。
そうした状況が続いているなかで、08年に「ポメラ」(キーボードで文字を入力して、文章やメモを作成する専用機)という商品を発売しました。この商品を発売したころから少しずつ個人向けの商品が増えていきました。
土肥: 記者会見の席でも、ポメラを使って原稿を書いている人をよく見かけます。バッテリーが長くもつことや、軽いといった特徴があるので、記者にとって使い勝手がいいのかもしれません。
妹: 法人向けの商品を扱っている会社にとって、個人にどのような形で情報を発信していけばいいのかよく分かりませんでした。商品は問屋に卸しているので、どんな人がどのように使っているのか、よく分かりません。実際に使っている人との接点と言えば、電話でのコンタクトセンターくらい。でも、商品のことを聞くのに、わざわざ電話をするのはちょっとハードルが高いですよね。もっと手軽にコミュニケーションができないかなあ、といった課題を抱えていました。
そのようなことを考えていたところ、社長の宮本(彰氏)が個人的にTwitterを楽しんでいたんですよね。SNSを通じて、同じ趣味を持つ仲間がどんどん増えていたこともあって、「会社でもTwitterをやろう。そうすれば、キングジムのファンが増えるのではないか」と言われ、公式アカウントを取得しました。
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