「これからの加熱式たばこは温度で選ぶ時代になる。これまで注力してきた低温加熱式を強化しつつ、高温加熱式のカテゴリーでシェア奪取を目指す」――。日本たばこ産業(JT)の岩井睦雄副社長は1月17日に開いた加熱式たばこ「Ploom TECH(プルーム・テック)」の新モデル発表会でこう強調した。
新モデルは「Ploom TECH +(プルーム・テック・プラス)」と「Ploom S(プルーム・エス)」の2機種で、いずれも1月29日に発売予定。当初は全国の専門店「Ploom Shop」とECサイト「Ploom オンラインショップ」で展開するが、その後は販売チャネルを順次拡大し、2019年内の全国拡販を予定する。
「Ploom TECH +」は従来モデルから約10度高い低温加熱式(約40度)だが、専用リフィルのたばこ葉を増量してより多くのベイパー(蒸気)を吸える仕様とし、吸い応えを強めた。「Ploom S」はJT初となる高温加熱式(約200度)とし、紙巻きたばこに近い風味を実現。両者ともにデザイン面も充実させた。
これまでJTが展開してきた従来型のプルーム・テックは、約30度で加熱する低温加熱式。紙巻きたばこからにおいを1%未満に抑えた点などが支持され、加熱式たばこ市場で約1割のシェアを獲得した。
低温加熱式を展開してきたのはJTのみで、約7割のシェアを持つフィリップ モリス ジャパン(PMJ)の「IQOS(アイコス)」(約300度)、約2割を占めるブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン(BATJ)の「glo(グロー)」(約240度)といった競合製品は高温加熱式を採用している。
低温加熱式には、においが極めて少ないメリットがある一方、高温加熱式よりも吸い応えが劣るデメリットがある。従来型のプルーム・テックも、吸い応えがタール1〜3ミリの紙巻きたばこ相当と軽い点などがネックとなり、試したものの競合製品に流れる層や、紙巻きたばこに戻る層が一定数存在していた。吸い応えを強化した新モデルの投入には、こうした層の再獲得を図る狙いがある。
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