最後に出なかった「ガンダム」は、どのようにして殻を破ったのか水曜インタビュー劇場(指導員公演)(1/7 ページ)

» 2019年02月06日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

 1月3週目。カプセルトイの中に入っている商品を求めて、全国のファンがザワついた。機動戦士ガンダムシリーズに登場する「ガンダム」の頭部を再現したアイテムが出回ったからだ。その名は「EXCEED MODEL GUNDAM HEAD 1」(以下、ガンダムヘッド/1回500円)。

 ガンダムに興味がなくて、カプセルトイも回したことがない人からすれば「意味が分からない。オマケのようなモノでしょ」と思われたかもしれないが、前シリーズ「EXCEED MODEL ZAKU HEAD」(以下、ザクヘッド)は売れに売れた。カプセルトイの商品は10万個売れれば「ヒット」と言われている中で、ザクヘッドは日本のみならず、海外のファンにもウケにウケ、2年ほどで累計180万個も出荷しているのだ(関連記事)

ヒットの予感が漂う、機動戦士ガンダムシリーズの「EXCEED MODEL GUNDAM HEAD 1」(C)創通・サンライズ

 ガンダムヘッドの最大の特徴は、なんといっても「大きさ」である。プラスチックのカプセルを排除して、球状の商品がそのまま出てくる「シェル(殻)」構造を採用。球体内部は組立用パーツで構成されていて、それを組み立てることでガンダムの頭部が完成する。商品サイズは全高約76ミリで、カプセルトイ史上最大級のサイズを実現した。

 大ヒットしたザクヘッドに続く第二弾――。しかも、今も多くのファンから愛されているキャラが登場したので、「ヒットするのは間違いない。ザクを超える数字も可能だ」(業界関係者)といった声も出ている。

 設計・開発に2年ほどかけたガンダムヘッドは、どのようにして“殻”を破ったのか。開発を担当したバンダイの長谷川淳さんに話を聞いた。ちなみに、長谷川さんは『コミックボンボン』(講談社、現在は休刊)で連載されていたプラモデル関連の漫画に登場していた。子どものころに読んでいた人は、「懐かしいなあ。覚えているよ」と遠い記憶がよみがえったかも。当時のこともチラっと聞いているので、最後までどうぞ。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。

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