また、今回36協定を締結する際に歯止めの措置として新たに指針が設けられた。その中で使用者は「安全配慮義務を負う」と明記。いわゆる過労死の労災認定基準を示し、使用者は「発症前1カ月間におおむね100時間または発症前2カ月間から6カ月までにおいておおむね80時間を超える場合には業務と脳・心臓疾患の発症との関連性が強いと評価できるとされていることに留意しなければならない」と規定している。
だが、企業の中には法律の抜け穴をかいくぐるところも出てくることが懸念されている。例えば2カ月80時間の残業が可能だとしても月の最後の2週で80時間、翌月の最初の2週で80時間の残業をさせれば4週間で最大160時間の残業をさせることが可能になる。この防止措置として指針では「労使当事者は、時間外・休日労働協定において休日の労働を定めるに当たっては労働させることができる休日の日数をできる限り少なくし、及び休日に労働させる時間をできる限り短く務めなければならない」と規定している。
以上が法律の内容であるが、法の網をかいくぐって長時間労働をさせる企業も出てくるかもしれない。厳しくなったといっても、以前のように一定時間以上の残業を申告しないように指示してくる企業もあるかもしれない。企業がやりそうな典型的な悪質な手口として次のページに記載する5つのことが考えられる。
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