クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向
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» 2019年05月27日 07時07分 公開

池田直渡「週刊モータージャーナル」:ホンダの決算 バリエーション7割削減の意味 (5/5)

[池田直渡,ITmedia]
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メインとなるのはハイブリッド

 もう一つ八郷社長は重要な発言を行った。

 ホンダは、カーボンフリー社会の実現に向けて、30年にグローバル四輪車販売台数の3分の2を電動車にする目標を掲げています。

 電動車の導入は、「燃費の向上」と「ゼロエミッション」という2つの観点があります。企業平均燃費(CAFE)への対応は、世界各地域で規制が強化されている現在、自動車業界の最重要課題の一つです。ホンダは、インフラや車の使われ方を考えると、CAFE対応に現時点で最も有効な技術はハイブリッドだと考えています。全世界での拡販を通じて燃費の向上による地球環境への貢献を目指し、電動化はハイブリッドを中心に進めていきます。

 そのために2モーターハイブリッドシステムの「i-MMD」をホンダのモデルラインアップ全体に広げていきます。現在、中・大型モデルに対応しているi-MMDに、新たに小型車向けのシステムを開発しました。この小型i-MMDは、今秋の東京モーターショーで世界初公開予定の新型フィットから採用します。

 現在の排ガス規制には、生産台数に対して一定比率で排ガスゼロのモデルを義務付ける米国のZEV規制と中国のNEV規制がある。これらは現実的には電気自動車(EV)でなければクリアできない。だからラインアップにEVを持つことは大事だ。

 しかし、もっと大変なのは企業の全販売モデルについて1キロメートル走行あたり平均CO2排出量の目標を設定するCAFE規制である。19年規制は130グラム。20年規制は95グラムとなっているが、現在のガソリンエンジンではこの20年規制がクリアできない。

 差し迫る20年までにEVを大量に販売するのはどう考えても無理なので、出せばある程度数がはけるハイブリッドでなんとかするしかない。そしてそれはおそらく25年規制までは揺らがない。

 さて、ホンダの事業計画は聞いていて不自然な部分は感じない。得心がいくものだと思う。ただし、本当にそれが予定通りに進むかどうかはまだなんともいえない。

筆者プロフィール:池田直渡(いけだなおと)

 1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。

 以後、編集プロダクション、グラニテを設立し、クルマのメカニズムと開発思想や社会情勢の結びつきに着目して執筆活動を行う。


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