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コラム
» 2019年06月17日 08時00分 公開

お礼の原資は会社負担:社員同士でボーナスを贈り合う「第3の給与」 ユニークな発想がもたらした意外な効能とは? (3/3)

[本田雅一,ITmedia]
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Uniposが“見える化”する、社員の隠れた属性

 どの部署の誰が、どの部署の誰に、アドバイスを送ったか、という結び付きを視覚データ化してみると、社内コミュニティーの傾向や、ゆがみなどが把握できる。本来、連携して仕事をした方がいい部署間に壁がある……といったことが傾向として分かるだけでなく、外注先や派遣社員が実は業務を円滑にする助けをしていることなども見えてくるからだ。

 大きな組織であればあるほど、このようなデータ化の利点は大きい。人事登用や人材配置の最適化が容易になる。そして、Uniposのデータ分析に自然言語処理を盛り込んで分析を進めると、さらに興味深いことが分かってくる。

 社員間で報酬を出し合う際に書き込まれたメッセージに自然言語処理を行い、どのようなことに関して報酬が出されているのかを分析していくことで、人事データベースには入っていない、社員の得意分野やスキルが浮かび上がるというのだ。

 例えば、「Adobe Illustratorでの作業を手伝ってくれてありがとう」と感謝の言葉が何度も特定の人材に向かっていれば、その相手はイラストレーターのスキルが高く、他人に教えたり、手伝ったりすることが得意であると分かる。あるいは共感を寄せた励ましに対する感謝が多い人材は、具体的なスキルや仕事の成果以上に、組織全体の精神的な支えになっていることも類推できる。

 まだスタートして2年、これから事例をさらに拡げていく段階のUniposだが、活用が進むほどに、今後は新たな発見もあることだろう。

 「社員同士で報酬を贈り合う」という発想は、一見すると奇抜にも思える。しかし、社内の人材交流がネットベースになってきた現代において、組織の実態を知る上で極めて効果的といえるのかもしれない。

 業務遂行の環境が変化したことで、以前ならば荒唐無稽と思われるアイデアが機能しているのだと分析するのであれば、他にもさまざまな面で発想の転換を行える切り口がありそうだ。

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