コラム
» 2019年06月18日 08時35分 公開

専門家のイロメガネ:麻生氏「年金受給記憶ない」発言が物議 共産党・小池氏のでたらめな批判内容 (7/7)

[中嶋よしふみ,ITmedia]
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 現状は、ただでさえ申請主義について誤解を招く仕組みになっている。就職をすると勝手に健康保険と年金の保険料が給料天引きになることから、公的な制度は受け身でいても自動的に国なり会社なりが勝手に手続きをしてくれると勘違いしている人も多いだろう。しかし申請主義はその真逆の仕組みだ。

 例えば生活保護は捕捉率が20%程度、つまりもらえるのにもらっていない人が80%もいるのではないか、本来の支給額は現在の5倍になるのではないか、とも指摘されている。これも申請主義の弊害といえる。

 現状で、申請主義は国民の利益を損なっている可能性が極めて高い。制度を知らない人、そして制度を知っていてもハードルの高いややこしい手続きを前に諦めてしまっている人など、本来制度を必要としている人にくまなく社会保障の恩恵が届いていないからだ。

 小池氏のツイートは執筆時点でリツイートが5000件、いいね!が7000件を超えるなど広範囲に拡散している。そしてほかにも同様の発言やツイートをしている議員や識者等も多数いるようだ。

小池氏のツイート

 麻生氏を始め与党の対応は極めて無責任でずさん極まりなく、それを批判するのは当然だ。しかし間違った前提で批判することで、年金制度の誤解を広めることは到底許されない。それで被害を受けるのは与党議員ではなく一般の国民だ。

 まずは年金制度について、さらには社会保障全般について、誤解を与えかねないツイートを書き込んだ議員・識者は即刻訂正・削除すべきだ。

 老後資金2000万円については、前述の通り与野党ともに極めて無責任でいい加減な議論がなされているが、これについては別の記事で言及したい。

執筆者 中嶋よしふみ

保険を売らず有料相談を提供するファイナンシャルプランナー。住宅を中心に保険・投資・家計のトータルレッスンを提供。対面で行う共働き夫婦向けのアドバイスを得意とする。「損得よりリスク」が口癖。日経DUAL、東洋経済等で執筆。雑誌、新聞、テレビの取材等も多数。著書に「住宅ローンのしあわせな借り方、返し方(日経BP)」。マネー・ビジネス・経済の専門家が集うメディア、シェアーズカフェ・オンライン編集長も務める。お金より料理が好きな79年生まれ。

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