コラム
» 2019年06月18日 07時45分 公開

「無制限の有休」は奏功しなかった:ピアプレッシャーという“病巣”――「休暇制度の充実」だけでは働き方改革を実現できない (5/5)

[生駒一将,ITmedia]
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「ブランクを作らない」は産休・育休に限らない

 今回は近年充実されるようになってきた産休・育休制度を中心に話を進めたが、休暇制度という枠で見ればこれらに限らない。先に挙げた、介護を必要とする家族を支えるための休暇もあれば、社員の家庭の事情を考慮した休暇制度も存在する。そうなると、ワークとライフの「ライフ」を支えるために、休暇制度以外の支援手段はあるはずだ。

 社員の事情によっては精神的なサポートや何かしらのサービスを必要とするかもしれない。仕事と私生活の境界線が曖昧になりつつある今日、企業による社員へのサポートは、カバーする範囲が限りなく広い。オフィスであらゆる人生相談に乗ってくれるカウンセラーが常駐していたり、社員のために週末の旅行プランを計画してくれるカウンターがあったりするのは、全て社員の生活を豊かにするためだ。

 ワーク・ライフ・バランスという言葉にある通り、社員が仕事と適切な距離感を保つことが昨今の働き方の課題だ。それは仕事ばかりにならないという意味である一方、仕事から離れすぎてはいけないという意味でもあるだろう。休暇制度のみに頼らずにワークとライフを充実させる方法として、どのような福利厚生制度があるべきか。今、日本企業の腕が試されている。

著者プロフィール

生駒一将(いこま かずまさ)

株式会社フロンティアコンサルティングにてリサーチャーを務める。アメリカ・サンフランシスコでオフィスマネジャーを務めた経験をもとにオウンドメディア「Worker's Resort」を通して、海外のオフィスデザインや企業文化、働き方のトレンドなど、働く人を軸にオフィスのあり方を調査・発信中。『徹底研究!!GAFA』(洋泉社)などにて多数寄稿あり。


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