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他人に惜しみなく与えて「成功する人」と「搾取される人」はどこが違うのかお人好しと勝利者の分かれ目は(2/3 ページ)

» 2019年06月26日 08時00分 公開
[北村貴明Books&Apps]

単に「与えれば良い」というわけではない。

Photo 『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』三笠書房刊 アダム・グラント著

 ペンシルバニア大学教授の、アダム・グラント氏は、「誰が成功のはしごを登るのか」を調査しました。そして彼は、成功のための重要な要因として「ギブ・アンド・テーク」に対する考え方を挙げます。

 彼は世の中の人々を、受け取るだけの「テイカー」、もらえばお返しするバランス派の「マッチャー」、そして惜しみなく与える「ギバー」の3種類に分類し、どの人々が最も成功しているかを調べました。

 最も成功してたのはどの人々なのでしょう?

 人から受け取るばかりの、立ち回りのうまい「テイカー」でしょうか?

 いいえ、違います。

 最も成功していた人々は「ギバー」、つまり「人に与える」人々でした。

 「最も多く受け取る人は、最も多く与えている」というのは真実でした。

 では、逆に最も成功から遠いのは、どの人々だったでしょう?

 実は、最も成功から遠いのは、どの職業をとっても、これも「ギバー」、つまり「人に与える」人々でした。

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 意外に思う方も多いかもしれません。さきほどの話とは全く逆ですし、直感に反します。

 しかし、エンジニアの世界においても、医学部でも、販売員でも、「ギバー」は成績の最も低いグループに、最も数が多かったのです。

 思いやりがあり、人の勉強を手伝い、相手にとって何がベストなのかを常に気を配る人は、「自分」より「人」を優先するため、生産性が低く、成功するどころか、逆に損をしていたのです。

 結局、ギバーは、「ばかなお人よし」と「最高の勝利者」の両方に存在する。これは面白い事実です。

 では、「ばかなお人よし」と「最高の勝利者」を分かつものは何だったのでしょう。

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