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他人に惜しみなく与えて「成功する人」と「搾取される人」はどこが違うのかお人好しと勝利者の分かれ目は(3/3 ページ)

» 2019年06月26日 08時00分 公開
[北村貴明Books&Apps]
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 アダム・グラント氏はこのように述べます。

「ばかなお人よし」は「自己犠牲的」。

「最高の勝利者」は「他者志向的」。

 自己犠牲的とは、自分の利益を顧みず、人に与え続けることです。

 それに対して、他者志向的とは、受け取るより多くを与えても、決して自分の利益を見失わず、いつ、どこで、どのように、誰に与えるかをきちんと考えることです。

 従って、「成功するギバー」は、「上司」「取引先」が搾取する人々、すなわち「テイカー」であるかどうかを常に監視し、もし彼らがテイカーであることが分かったら、すぐに彼らとの縁を切り、新しい関係を求めます。

「テイカー」とは、とにかく縁を切れ

 この世には「テイカー」がたくさんいます。

 例えば「搾取型の経営」をする経営者です。私はそういった経営者の下で働いている人には「すぐ逃げなさい」と言います。

 逆に、要求するだけで、会社や一緒に働く人々に貢献も感謝もしない社員もたくさんいます。

 経営者は、そういった社員を放置してはいけません。経営者だけではなく、周りの人々も迷惑し、いずれは会社を崩壊に追い込むからです。

 逆に、大きく成功したければ「テイカー」を見抜いた上で、この世の多くを占める「マッチャー」たちに対して、「ギバー」として振る舞わなくてはなりません。

 もちろん、先に与えるのは、口でいうほど簡単ではありません。

 ひょっとしたら、見返りはないかもしれないのです。

 しかし、全てにおいてギバーとして振る舞えなくても、心掛けとして、例えば、

  • 知人のサービスであっても「友達価格で、割引してくれ」とは言わない。
  • 地元(出身地)のために、進んでさまざまなことを引き受ける。
  • 惜しみなく、他者に称賛を送る。

など、身の回りから「ギバー的行為」を始めることは、誰とっても不可能なことではありません。

 私自身も、地元、滋賀県のためにさまざまな役割を引き受けたいと思い、さまざまな会合の幹事を引き受けていたところ、さまざまな方々とのご縁をいただくことができました。

人が集まれば必ず「テイカー」と「ギバー」が生まれる

 コワーキングスペースに集う人々を見ていると、アダム・グラント氏の言う通り、「惜しみなく他者に与える人」「付き合う相手を選ぶ人」が、成功することは間違いありません。

 しかし、人が集まれば必ず「テイカー」と「ギバー」が生まれます。そして、中には悪いことに「搾取されてしまうギバー」が出てしまうことものあります。

 そうならないよう、私は全ての「ギバー」が報われる仕組みをコワーキングスペースという場を使って、実現したいと思っています。

北村貴明プロフィール

コワーキングスペース「Basispoint」の運営会社であるAscent Business Consultingの代表取締役社長。


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