インタビュー
» 2019年07月31日 08時00分 公開

生産計画2倍! 初のフルメタル「G-SHOCK」は、どのようにして生まれたのか水曜インタビュー劇場(ピカピカ公演)(3/5 ページ)

[土肥義則,ITmedia]

トライ&エラーを繰り替す

土肥: 「配列を変えて」という話がありましたが、限られたスペースの中に、部品をああでもないこうでもないといった感じで、パズルのように組み合わせたのでしょうか?

泉: そうです。こっちには置けないから、あっちに置いて。あっちには置けないから、こっちに置いて。といった作業を繰り返しました。「うまくハマった、サイズもぴったり!」と思っても、話はまだまだ続くんですよね。ご存じのとおり、G-SHOCKは衝撃に強くなければいけません。従来モデルを振り返ると、外装は樹脂でできていて、重さは70〜80グラムほど。一方、ステンレス製で試作品をつくったところ、170グラムほどになっていたんですよね。

土肥: 重さは2倍以上! 時計をわざと落とすなど、衝撃に耐えられるかどうかの試験も行ったわけですよね。物理の授業で習ったと思うのですが、モノは重くなれば重くなるほど、落下させたときの衝撃が強くなる。ということは……。

泉: 重さが2倍以上になっていたので、大変でした。170グラムの時計を落下させても、不具合を生じさせないようにしなければいけないのですが、なかなかうまくいきません。部品の一部が割れてしまったり、バンドのシャフトが曲がったり。

 このままではいけないということで、また試作品をつくることに。試作品→落下→不具合→試作品→落下→不具合といった作業を何度も繰り返して、やっと完成のメドがたってきました。では、どういったことを行ったのか。ケースとベゼル(カバーガラスをケースに固定するリング状の部品)の間に耐久性の優れた樹脂を挟むことで、衝撃を吸収することができたんですよね。これですね、どうぞ。

ケースとベゼルの間に耐久性の優れた樹脂(赤色)を挟むことで、衝撃を吸収した

土肥: (緩衝材を手にして)ちょっとチカラを加えると、ふにふにして曲がりますが、それでも大丈夫なのですね。

泉: はい。じっくり見ていただけると、ものすごく小さな突起がところどころ付いていますよね。実際に触れると、なんとなくひっかかるモノがあるなあといった印象を受けると思います。コンマ何ミリの世界でして、開発者は「もう少し出すか。いや、もう少し引っ込めるか」「形はどうするか、こうするか」といった具合に、トライ&エラーを繰り返すことによって、衝撃に耐えることができる商品が完成しました。

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