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大前研一が「年金2000万円問題」を斬る! 終身雇用「崩壊」時代はこう乗り切れ勉強しない日本人に喝!(5/6 ページ)

» 2019年07月31日 05時00分 公開
[田中圭太郎ITmedia]
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日本の教育では世界から40年遅れる

――日本でも新しい学習指導要領に、主体的、対話的に学ぶアクティブラーニングなどが導入されていますが、海外とは学びについての考え方が違うのでしょうか。

 日本の教育はつまずいています。その原因は文部科学省の学習指導要領です。20年に1度中央教育審議会で検討していて、新しい指導要領が小学校では2020年度、中学校では21年度から全面実施され、高校では22年度から順次実施されます。先ほど触れたように、特に高校の指導要領は少し修正するだけでこれから20年間使われるので、教育する内容は40年間止まったまま。世界の動きから40年遅れてしまいます。これは恐ろしいことです。

 私たちは「アオバジャパンインターナショナルスクール」というバイリンガルの学校を経営しています。幼稚園の年中組から高校まで、インターナショナル・バカロレア(IB)の審査を受けて、国際的な教育プログラムを提供しています。

 審査のために学校に来たIBのスタッフは、教科書を使って授業をしている先生を見て、「あの教授方法は不適切だ」と平気で言います。なぜかというと、IBでは教科書を使わないからです。教科書に書いている内容だけを教えて、自分の考えを伝えていない人には先生の資格はないと考えているのです。

 日本では指導要領があって、それに沿った教科書で教えなければならないと説明すると、「いまだにそんなことをやっているのは全体主義の国だけだ」と言われます。尊敬に値するくらい、私とは意見がぴったりです(笑)。

 つまり、指導要領に沿って教えているような日本の教育では、全く変化できません。日本の学校教育を受けた人は、どこかで一回オールクリアして、新しいことを学ばなければ世界とは闘えないでしょう。これが日本の教育の現実です。

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