強い組織を作る人事の技
インタビュー
» 2019年09月13日 08時00分 公開

メディアドゥの社長はなぜ、マイノリティーの登用を恐れないのか 情シス部長に50代半ばの女性、ベトナム人採用の背景 (1/5)

情シス部長に50代半ばの女性を登用し、ベトナム人エンジニアを採用する――。メディアドゥホールディングスの社長、藤田恭嗣さんはなぜ、マイノリティーの登用を恐れないのか。

[やつづかえり,ITmedia]

 56歳の河野多香子さんは2019年5月、メディアドゥホールディングス(以下メディアドゥ)に情報システム部の部長として迎えられた。ヤフーで技術戦略本部長、バリューコマースで執行役員兼CIOを歴任した凄腕の女性で、メディアドゥへの転職は知人の紹介で実現した。

 そんな河野さんでも、エージェントからは「もし“普通の転職活動”をしていたら、書類審査の段階で落とされるだろう」と言われたという。「50代」「女性」というだけで門前払いされてしまい、どんなに素晴らしい実績やスキルがあっても目を向けてもらえないのが世間の現状なのだ。

 こうした“一般常識”に背いて河野さんを採用したメディアドゥは、河野さんをどう評価し、組織の多様性についてどう考えているのか――。同社代表取締役社長 CEOの藤田恭嗣さんにお聞きするとともに、記事の後半では河野さんに、女性が能力を発揮していくために必要なことを、これまでの経験を踏まえてお話いただいた。

 聞き手はTalknoteの取締役として、多様な人材が働きやすい組織づくりに取り組むとともに、女性の活躍を支援する団体、Reborn Womanを運営する和田郁未さんが務めた。

Photo メディアドゥの情報システム部長を務める河野多香子さん(画面=左)とメディアドゥ同社代表取締役社長 CEOの藤田恭嗣さん(画面=右)

女性情シス部長の起用で社長が期待するのは

Photo Talknote取締役の和田郁未さん

和田: 藤田さんは、性別や年齢、国籍などにとらわれず、働く人のことを非常にフラットに捉えているようにお見受けします。

藤田: 会社が世の中に価値を提供し、成長し続けるためには「男性だから、女性だから」ということは関係ありませんからね。ただ、世の中の現状を考えると、「女性だから」と前に出ることをためらってしまうような人の意識を変えることや、そのための環境や学びを提供することは必要だと考えています。

和田: 確かに、チャンスがあっても「私はちょっと……」と引いてしまう女性は多いですね。これまで、メディアドゥの中でもそういうことがありましたか?

藤田: ありますね。日本古来の「奥ゆかしさを重んじる文化」が邪魔をしている部分があるのかもしれません。そこは男性の理解を促すというよりも、女性が変わることが重要だと思います。

 というのも、男性は経営者が「女性を登用する」と言えば「分かりました」と言うことを聞く人が多いのです。そして多くの経営者は、社会におけるプレゼンスの向上や生き残りを考えているので、活躍できる女性がいれば引き上げたいと考えているはずです。あとは女性の側が、「私、やります!」と言ってくれることが必要です。

和田: 同感です。

藤田: 今回、情報システム部門の部長をお願いすることになった河野さんについては、情報システムに関する技術やマネジメントの経験という点で、当社にはないものを持っていらしたので、ぜひ、来ていただきたいと思いました。そういう点では、年齢や性別は全く関係ないんです。

 彼女がマネジャーというポジションで入ることは、社会からの評価という点でもプラスになりますし、社内の女性社員が変わるきっかけになるだろうと期待もしています。年齢についても、私より年上で落ち着いているし、さまざまな修羅場を乗り越えてこられた経験をお持ちだということで、プラスにしか感じませんでしたね。

       1|2|3|4|5 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセスランキング
  • 本日
  • 週間