マーケティング・シンカ論

オーダーメイドなのに販売も計測も「無人」 FABRIC TOKYOの新ブランド「STAMP」 ITワーカー市場はデニムに勝機直立不動で身体計測(2/2 ページ)

» 2019年09月30日 11時30分 公開
[鬼頭勇大ITmedia]
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無人店舗の様子

 ファブリックトウキョウは、9月13〜29日までの期間限定、かつ完全招待制でテスト店舗を新宿マルイ本館(東京都新宿区)に出店。本格運用に先立ち、テスト店舗にはスタッフが常駐。商品説明や計測の流れ、サービスのヒアリングなどを行った。10月以降は、ファブリックトウキョウが展開するリアル店舗の一角に出店する形を取るという。こちらでは無人での運用を行う。

テスト店舗の様子

 計測は、個室の中で行う。センサーが埋め込まれた4本の柱に囲まれたスペースの中に立ち、スマートフォンのアプリを使って計測。衣服は脱ぎ、下着のみを着用する。4方からスキャンするので、体を回転させる必要もなく、直立不動のままで計測は完了する。完了すると、アプリ上に3Dデータが表示される。全3回の計測で、10カ所ほどのデータを取得。アプリ上に表示されるもの以外にも、さらに詳細なデータが蓄積されていくという。購入は、ファブリックトウキョウと同じく、店舗で行っても良いし、家に帰ってからでも良い。時期にもよるが、購入から3週間ほどで到着する流れだという。

計測ルームの内観
スキャンされたデータの例

 実際にサービスを体験した感想として、計測ルームで服を着脱する手間こそあるが、かなり手軽に計測できると感じた。アプリのUIもストレスがなく、“ガジェット感”のあるデザインとなっている。商品名も、単に「デニム」とするのではなく、「STAMP ver1.0(テーパード)」「STAMP ver1.1(ストレート)」といったように、随所にこだわりが見て取れた。

 ポケットが2層構造になっているのもポイントだ。「従来のデニムはポケットが浅かったり小さかったりして、スマートフォンや加熱式たばこなどのデバイスを携帯しづらい」と担当者。今後はポケットのサイズを各自のデバイスに合わせて調整することも検討しているという。

 当初はデニム2種類、3カラーのみの販売だが、アウターなどのアパレル商品も展開していく予定。出店も小規模で済むことから、駅の構内やオフィスビルの一角など、さまざまな場所に可能性を見出している。

2種類×3カラーで展開
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