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» 2019年10月08日 08時00分 公開

簿記は「人生に必須の武器」:不安定の時代はハウツー本より「会計」で立ち向かえ Rootportさんに聞く「お金の生存戦略」 (3/3)

[服部良祐,ITmedia]
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無知では「誰かがくれた仕事」しかできない

――ただ、実際にはいまだに多くの人が複式簿記の中身をよく知らないまま、社会人を続けています。

Rootport: (そういう人は)簿記の知識が無くても生きていけた、という自信があるのでしょう。でも、「コンビニでガムを1個買った」という取引ですら、その売り上げは複式簿記で計算されます。その仕組みが分からないと、「誰かが与えてくれた仕事」しかこなせなくなってしまう。自分自身が仕事を作り出す立場になろうとしたら、それを分かっている必要があるのです。

 会計・簿記の知識が無く“ブラックボックス”化してしまっていても、生きてはいけます。ただ、それは誰かの(作った)仕事をする人生、「年末調整で(税金がなぜか減っていて)ラッキー」と感じる人生なのです。

 たとえ誰かの作り出した仕事をこなすとしても、今の(勤め先の)経営陣が正しいのかどうか、この会社に居続けていいのかの判断も、簿記が分かっていないと話にならないと思います。東芝やオリンパス、日産の問題などがそうでしょう。

――確かに、いずれも粉飾決算など企業の会計上の重大な問題が焦点となった事件でした。

Rootport: 世の中の知識を区分した中で、「未知の未知」という物があります。「分かっていないことが分からない」ということです。

 そして、簿記の知識を身に付けることで、自分の人生における未知の未知は確実に減らせるのです。「この会社にいつまでいていいのか」「転職先の会社は大丈夫なのか」、あるいは「仕事をするときの与信評価」などの判断ですね。

――確かに会計の重要性は、何となく多くの人が気付きつつあるように思えます。一方で、難しそうだったり面倒そうで学ぶのをスルーしてきた人の多いジャンルのような印象もあります。

Rootport: 今の世の中では、会計がエリートだけの物になってしまっています。それは、興味を持てるフックが無く、ひたすら仕分けの勘定科目がずらっと並んでいる(イメージ)だからでしょう。自分が経理の仕事をしていても、興味を持てなかったりする。しかし、歴史などストーリーから入れば、血の通った物として感じられる。

 僕たちのいる先進国では、急激に(所得が)二極化しつつあります。中間層が上と下とに分かれつつあるのですね。一方で(歴史をひもとくと)過去500年、高所得層の人々はみんな簿記を知っていました。だから僕たちも会計・簿記を学ぶべきなのです。みんながかつての上流階級や貴族階級のように(お金の)知識を身に付けている未来か、そうでなくごく一部の階級が豊かになってしまう未来なのか。僕は、世の中みんなが豊かになるべきだと思うのです。

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