予防医療について啓発し、病気を予防する具体的なアクションを行なう一般社団法人予防医療普及協会の「予防医療オンラインサロン〜YOBO-LABO」会員限定トークイベントが、2019年8月22日に東京都港区のDMM本社で開催された。
協会の理事を務めるホリエモンこと堀江貴文氏と、同じく理事で産婦人科医の三輪綾子氏が、糖尿病の専門医で医療スタートアップLinc’well代表取締役の金子和真氏をゲストに招いて、糖尿病の正しい理解と予防を広める方策を語り合った。
前編の「ホリエモンが課題だらけの医療業界を斬る! 『大学の医学部で経営も教えるべき』」では、医療業界の問題点を指摘するとともに、一般の人が気づいていない糖尿病の怖さをレポートした。後編では堀江氏の国民皆保険への見解についてお届けするとともに、糖尿病予防につながるインセンティブの可能性を探る。
堀江: 後編では、糖尿病の予備軍、それも重症化する可能性がある人たちが、自発的に予防に動いてもらえるような方策を考えたいと思います。パチンコ店に行くかわりに、病院に行くような(笑)。
三輪: 治療することのインセンティブ付けは大切ですね。日本の医療は、病気になった状態で医療費が一番使われていて、予防に使われていません。これでは駄目だと思うので、そういう人たちを少しでも病院に引っ張ってこられるようにはできないものでしょうか。
病院では手術する際、BMIが35を超える病的肥満患者は、麻酔をかけることがリスクになります。そのため麻酔管理料金が重症加算されます。つまり、多めに医療費が用意されています。その状態になる前の予防にお金を使ってほしいですね。
金子: いまの話は医療費のインセンティブという視点ですよね。それとは別に、予防しないことや治療を受けないことが本人にとってデメリットになる設計が、一番健全だと思います。現実的にできるかどうかは別にして、太っている人に対して、このまま放置して糖尿病になったら保険料の負担額を増やすという方法はあるかもしれませんね。
堀江: これは政府の役割でしょうか。
金子: 基本的には政府。あるいは、民間保険会社。
堀江: でもこういう人たちは、保険会社に加入していないですよね。
金子: そうですね。
堀江: 政府の役割から考えると、僕は最近、日本の国民皆保険は本当に駄目だなと思っています。素晴らしい制度だ、みたいなことを言いますけども、国民皆保険だからこそできないことがいっぱいあります。まさに予防に力を入れるインセンティブがないのは、国民皆保険のおそらく一番駄目なところでしょう。病気になったら、何でも安く治療してくれる制度ですから。
金子: おっしゃる通りですね。病気にならないために努力するというインセンティブがないですね。アメリカは国民皆保険ではありませんが、医療費が高すぎてなかなか病院にいけないので、病気にならないように努力します。そういうコントロールを自分でする概念が日本にはないですね。
堀江: だからこそ、国民皆保険の仕組みの中で、血糖値が高いのにずっとほったらかしにしていたら、保険料がどんどんあがるみたいな設計にすればいいと思いますね。
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