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» 2019年11月08日 05時00分 公開

小売・流通アナリストの視点:「セブン1000店舗閉鎖・移転」の真の意味 “加盟店の一揆”は何をもたらすか (4/4)

[中井彰人,ITmedia]
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加盟店の「一揆」が構造改善のきっかけになる日

 最近のように、コンビニ加盟店の問題が社会問題化して、衆人環視の環境になっていることは、コンビニ本部、加盟店の両者にとって、実はいいタイミングだったのかもしれない。スクラップには相応の痛みが伴うものであり、それはフランチャイズ関係においては、本部、加盟店が一定割合で負担することになる。弱者である加盟店がリーズナブルな負担で移転して再出発できるという選択肢が、いまの環境下であればルール化しやすいはずだ。

 市場飽和と厳しい労務環境という転換点を迎えているコンビニ業界は、今後、加盟店との協調が今後の生き残りを左右する。それは、一方的に加盟店を労働者のように保護していくという事ではなく、両者がともに収益を追求するための合意点を探るというものだ。

 ただ、本部は加盟店の個別の事情をある程度加味したきめ細かい向き合い方をすることで、スクラップ&ビルドのような痛みを伴うが、やらざるを得ない施策を実施しやすくなるのではないか。そうした意味で、 セブン-イレブン1000店舗閉鎖・移転という策は、これからの時代には必須であるコンビニの「スクラップ&ビルド体制」を作るきっかけとなるのではないか、と思う。

 今は加盟店との関係修復の渦中にいるコンビニ本部であるが、何年か後には、「一揆」を起こした勇気ある加盟店オーナーたちに、構造改善のきっかけを与えてくれたと感謝する日がきっと来るはずだ。

著者プロフィール

中井彰人(なかい あきひと)

メガバンク調査部門の流通アナリストとして12年、現在は中小企業診断士として独立。地域流通「愛」を貫き、全国各地への出張の日々を経て、モータリゼーションと業態盛衰の関連性に注目した独自の流通理論に到達。


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