唐澤: ちなみにクラスメイトの反応はどうだったんですか。
森田: 「かわいそう」でしたね(笑)。これ賞なんです。コンテストなんです。何でかわいそうなの。コンテストだから勝たなきゃ。
唐澤: でも中学生でしたからね。
森田: 中3ですね。でも優勝しましたよちゃんと。4クラスしかなかったですけど。
唐澤: すみません森田さん、僕その話を聞いて(書籍を)書いているんですけど、優勝した話はいまはじめて聞きました。
森田: ああ、優勝しました。
唐澤: ちゃんと言ってくださいよ!(笑)。ところでこれ、皆さんも気になっていると思うんですけど、2部のゲストの方もかなり充実しています。
森田: ありがたいことに。これは言っていいんですかね
唐澤: いいんじゃないですかね。
森田: 僕が「神様」と尊敬している方が3人います。すごく大好きで尊敬しているんですが、でも絶対会いたくない人っていう。死ぬまでには一度は会いたいけど、いざ会っても緊張して絶対しゃべれないと思うんですよ。だから絶対会いたくないです今は。そういう人が3人いまして、そのうちラジオパーソナリティーの伊集院光さんと、漫画家の小林まことさんが本には載っています。
このうち「絶対会いたくない」と言いながら伊集院さんとは対談という形で載っているんですけど、これは伊集院さんのほうから逆に「会いたい」って言ってくれて。「なぜ会いたいかをいま手紙に書いています」とまで言ってくださったんですね。それで結局うちの仕事場に来てくださいまして、うちで対談みたいな感じになりました。
対談はただでさえ苦手なのに載せることになりましてね。読んでもらったら分かるんですけど、緊張してほとんど何も言葉が出てきてないんですよ。僕がインタビューしてるみたいな感じになっている。誰も助けてくれない。でも唐澤さんにうまくまとめてもらって。
唐澤: そもそも伊集院さんをお好きになったのはラジオがきっかけですか?
森田: ラジオです。僕の漫画『べしゃり暮らし』が始まってから、実は伊集院さんのラジオを聞いていたんです。もしも『べしゃり』を始める前に伊集院さんのラジオを聴いていたら、『べしゃり暮らし』はラジオの漫画になっていたかもしれないです。構成作家とラジオDJの話になっていたかもしれない。それぐらいです。
唐澤: なるほど。ベースにあるのは、この漫画もそうですけど、やっぱり芸人さんへのリスペクトというような感じですかね。
森田: リスペクトですよ。僕はもともと人を笑わせるのが大好きで、話をするとき必ず最後にオチみたいものがないと、何となく嫌な感じなんですけど、うまくしゃべれないんですよね。語彙が少ないし知識がないし、照れ屋だしみたいところがあって、そういうのをやすやすとやってのける芸人さんというのはやっぱり尊敬しますし、すごいなと思いますね。
唐澤: その延長線上に先生がM-1に出場して、その様子をタカハシさんが追いかけるというのがありますが、どうつながるのか。そもそもなぜM-1に出ようと思ったのですか?
森田: M-1に出ようと思った理由はこの本の中にも書いてあります。『べしゃり暮らし』はお笑いの漫画なんですけど、漫画のネタでは笑えないというのが自分の中でありまして、漫才のネタをそのまま漫画で描いても笑えない。(漫画の)中の人が笑っちゃっているので、「それを読んだ人が笑えるわけがない」というのがあるからです。だからお笑いの漫画は笑えないというのがあったんです。
ところが漫画家の長田(悠幸)君が『キッドアイラック!』(スクウェア・エニックス)という漫画を描いていて、大喜利の漫画なんですけど、読むと面白いんですよ。それが悔しくて「これを描いているやつは誰だ」って。そしたら「タピ岡ススル」っていう名前で大喜利をやっている結構有名な大喜利ストだっていうのが分かりました。
唐澤: タピ岡ススル! 今日も遊びにいらっしゃっています。
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