唐澤: その頃のお話は書籍でも聞きましたけど、生活的には苦しかったんですよね。
森田: 生活は苦しかったですね。家賃は1万5000円だったんですけど、給料が9万円だった。
唐澤: ちょっときついですね。それから30年以上ですか。M-1にも出られて『べしゃり暮らし』は第一部が完。これからの夢、野望、目標を教えてください。
森田: 『べしゃり暮らし』は一生描き続ける作品だと思うので、今後「プロ編」になると思うんですね。今回はM-1みたいな大会を中心に描いてきましたけど、テレビの世界の話になっていくと思います。何を目指していく話なのかとか、まだそういうのが具体的に見えていないので、芸人さんなどに取材を重ねて、何を書くべきかというテーマが見つかったら描き始めようと思っています。
それを始めたら一生描くと思うんですよ。死ぬまで描くと思うので、次の第二部は最終回はないと思います。だからそれを始めるまでに他のやりたいことができなくなりますからね。他にやりたい作品がいくつかあるので、そういうものを先にやろうかと。
唐澤: せっかくなのでふわっとでもいいのですけど、他にやりたい作品の方向性みたいなものはありますか?
森田: アニメをやってみたいです。アニメ画になるような、子どもが真似(まね)して描けるような『ハゼドン』(1972年〜73年までフジテレビ系で放送されたテレビアニメ。サンライズスタジオの第1号作品)みたいな。
唐澤: アニメ化されるような作品ということですね。
森田: そうそう。子どもが真似して描くような作品に憧れます。
唐澤: ええと……尾田栄一郎さんの『ONE PIECE』?
森田: 違います。『ONE PIECE』ではないです。
唐澤: 森田節のある漫画ですね?
森田: そうです。どっちかというと『アンパンマン』と言ってもらえるほうがうれしいです。あと僕が絵本を出したのは知っています? あれは浄土真宗の仏様の弟子が主人公なんですけど。ああいうのに近い感じの絵柄ですね。
唐澤: 楽しみですね。
森田: そうなの。あとホラー漫画とか。前も言ったことあるんですけど、そういうのも描いてみたいですね。自分の絵でホラー漫画をやったらどんな感じになるのかなと自分でも興味があるので。タカハシさんそういえば、今年M-1出るんじゃないですか。
タカハシ: 出ることになりました。
森田: 相方さんは。
タカハシ: 劇団を主宰しているフルタジュンさんです。そもそも出ようと思ったきっかけは、僕も幼い頃からお笑いがとても好きで、何度かお笑い芸人になりたいと思ったことがあって。でもそんなの現実的じゃないと思っていました。最初はアニメの仕事をしていたんですが、でもアニメの仕事をやりながらお笑いもやりたいなと思っていて。でも諦めてっていう感じで、ずーっときていたんですね。
今回、森田先生を撮影することになって、森田先生みたいに50歳を過ぎてからM-1にチャレンジをして、しかもそれで結果を出したというのを見ていて、自分もこんな気持ちを消化しないまま過ごしていくのはイヤだなと思ったんです。そんな気持ちが去年ぐらいから強くなっていったんですが、直接のきっかけは今年に入って僕の写真家の友達が「俺もM-1出たんだよ」っていう話を聞いたことです。しかも1回戦に通ったと聞いて、「おい、ふざけんな」って思って。すぐ「俺も出よう」と思ってぎゃあぎゃあ騒ぎ出して、そうしたら相方が決まったんです(笑)。
森田: 相方が劇団主催の方で、コンビ名なんでしたっけ?
タカハシ: 「劇団写真」という2人を合わせた感じの名前です。
森田: 出場日が?
タカハシ: 10月1日新宿シアターモリエールで!
森田: ぜひお時間ある方、応援に行ってあげてください。僕も行きます!!
タカハシ: 先生と同じ舞台に立つわけですよね。
森田: 緊張するよ。
タカハシ: 今も緊張しています。この倍ぐらい緊張するのかと思うと。
森田: ほんとは最初に1回別のところでやっとけばいいんだけどね。僕らが最初ここでやった時に、思いっきり噛んだもんな。噛んだというか、思いっきりネタが飛んで、そんなのもまあここだったからウケてもらったんだけど、あそこで噛(か)むと大変だよ。
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