どう影響がでるのか? それはもう明らかだろう。第7世代ラージプラットフォームが遅れれば、その間は第6世代で戦線を維持しなくてはならない。マツダの第7世代の出来は素晴らしい。素晴らしいがゆえに、今第6世代と乗り比べると驚くほどの差がある。実は、筆者はつい先日、MAZDA3からMAZDA6に続けて乗り換えて試乗した。
MAZDA6(旧名アテンザ)
一瞬、武士の情けで書かないでおこうと思うくらいにその差は大きかった。デビューした時あんなに剛性が高いと思ったアテンザ(現MAZDA6)が、MAZDA3と比べるといかにも古くさい。もう戻れないほどに違う。数時間乗っていると、感覚が慣れてしまって、「いや、いいクルマだな」と思う部分があるのも事実だが、ただ乗り換えた瞬間の衝撃はいかんともしがたいし、そのギャップを忘れることができない。
しかもMAZDA6はフラッグシップだ。そしてラージプラットフォームが受け持つクルマは、そのほかもCX-5、CX-8、CX-9と、マツダのラインアップの中では車格が上のグループになる。
マツダが、ラージプラットフォーム延期とともに公表した販売台数計画図を見れば分かるように、25年の時点でも、まだ第6世代は現役で戦わなければならない。ラージプラットフォームの頭出しは21年ということだが、ラインアップの完成はだいぶ先なのだ。一体これだけの差がある第6世代商品をどうやって売っていくのだろうか?
マツダは18年4月に公表した計画を改め、中期経営計画として現行世代を残す決断をした
「直そうと思ってます。今の新しい第7世代の技術を、現行世代に入れてこうと思ってます。もうそれをするしかないんです。それしか、われわれが生きていく道はないんです。それをほっといてしまうと、またその商品が安い価格訴求販売になっちゃうので」
しかし第7世代の改革がどういうものか知っている筆者から見ると、それはそんなに簡単な話ではない。それはより詳細に技術的側面を知る藤原副社長ならなおのことだろう。それでもやるというのか?
- 藤原副社長、マツダが売れなくなったって本当ですか?
ここ最近のマツダには、聞いてみたいことがたくさんある。あれだけ出来の良いクルマを作りながら販売台数がなんで落ちるのか? MAZDA3とCX-30を批判している人は、まず乗ってみたのか聞きたい。あれに乗って、それでも高すぎると本当に思うのだろうか?全てを知り、なおかつ一番本当のことをズバリしゃべってくれそうな藤原清志副社長がインタビューに応じてくれることになったのである。第7世代は売れてないのか? を解説しつつ、真実を見ていく。
- 自動車を売るビジネスの本質 マツダの戦略
原理原則に戻ると自動車ビジネスもシンプルだ。商品とサービスに魅力があれば、新車を正価、つまり値引きせずに売れるから中古車の相場が上がり、その結果下取り価格が高いので、買い替え時により高いクルマが売れる。これが理想的サイクルだ。それを実現した例として、マツダの取り組みを歴史をひもといてみよう。
- マツダCX-30の発売と、SKYACTIV-X延期の真相
マツダ第7世代の2番バッター、CX-30が10月24日に国内発売となった。Mazda3のときもそうだが、このSKYACTIV-Xの遅れを、設計に問題があったとする記事をいくつか目にした。その真相を語ろう。そして、海外試乗時から大幅に改善されたCX-30について。
- EVにマツダが後発で打って出る勝算
マツダが打ち出したEVの考え方は、コンポーネンツを組み替えることによって、ひとつのシステムから、EV、PHV(プラグインハイブリッド)、レンジエクステンダーEV、シリーズ型ハイブリッドなどに発展できるものだ。そして試乗したプロトタイプは、「EVである」ことを特徴とするのではなく、マツダらしさを盛ったスーパーハンドリングEVだった。
- マツダのEVは何が新しいのか?(前編)
東京モーターショーの見どころの1つは、マツダ初のEVであるMX-30だ。クルマの生産から廃棄までの全過程を通して見たときのCO2負荷を精査した結果、35.5kWhというどこよりも小さいバッテリーを搭載した。世の中の流れに逆らって、とことん真面目なEVを追求した結果出来上がったのがMX-30だ。
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