池田 もう避けられない時代の要請ということですね?
藤原 なんですが、そういう状態でお客さまにその価格分の価値をどう納得していただくかということです。CASEだけで、20万はとても納得していただけないので、そこで我々が何をするかというと、静粛性であったりオーディオだったり、インテリアの質感だったり。この3点は、そのCASEの20万円分商品を良くして、体感しやすい領域で納得していただくためにやってきたんですね。それによって「やっぱりこのぐらいするよね。中身で納得できるよね」と思っていただけるようにしたかったというのが本来の狙いなので、価格が上がったと言われると、あなたの比較は何年のどのクルマなんですかと。
池田 今、クルマを普通に買う人って40代、50代あたり、あるいは60代も入るかもしれませんね。その人たちは、もしかしたら新車で100万円の感覚が残っちゃってるんですよね。
藤原 だと思います。
池田 赤いファミリアが100万円で買えたとき。今は軽自動車でも100万じゃ、なかなか厳しいですよね。
藤原 買えないですからね。ちょろちょろっといろいろなものを付けていって、200万超えたりするようなことが平気であるじゃないですか。そういう意味では、皆さんの中にある価格の物差しが、相当ずれ始めているんじゃないかなと思うんですけど。
池田 それを書いちゃって大丈夫ですかね。
藤原 いや、わかりません(笑)。
一同(笑)
池田 広報的にはどうなんですか、ここは? ストップかけないと書いちゃいますからね。藤原さんは、いつも大体いろいろ言っちゃう人なんで、私のほうでも真意が誤解されないようにブレーキはかけますが、マツダとしてまずい場合は、それは広報がちゃんと止めてください。
広報 了解しました。
藤原 すいません、いつも言いすぎる。
池田 (笑)。さて、価格感のズレみたいな話は当然あると思いますし、CASEって今すごく多様なものを一気に開発しなきゃならない状態になっていて、研究開発費がどうしても増えるわけですよね? そのあたりは、設備投資も含めて増えていく感じなんですか。
藤原 私の感覚で言うと、今までの自動車開発の人たちとは異なる人たちと、異なる開発をしなくちゃいけないんですよ。なので、適正な開発投資がいくらで、どのくらい人員を配置するのが正しいのか、そこを把握しかねている状態です。
池田 今までの自動車を作る人たちの所帯の外側に、さらに新しい種類の人たちが加わって、その適正コストがまだやってみないと分からない。
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