藤原 言っても大丈夫(笑)。なのでユニークにしたところは残り十数パーセントだけなんですけど、この十数パーセントでさえ、実は1つのクルマのモデルが作れるほどの投資がかかってます。
池田 クルマの開発費並み!? うーん、もうどんどん膨大になってるわけですね。
藤原 なおかつ、人員も弊社の一開発本部並みです。だから、もうあのマツダコネクト2をやるだけで、相当な開発投資と相当な人とが掛かっていて、モノ自体のコストも高いわけですね。
池田 しかも予算の予想ができない。
藤原 分からないんですよ。昔の失敗があるので、こんなもんじゃ済まないよなと思いながらやってみると、やっぱりさらに(コストが)上がっていって、ここまでかかるのかみたいな。今までやったことがない職種の人たちとの仕事で、違う業界とのつながりなんです。コネクティビティの通信一つ取っても全く知らない世界なんですよね。
池田 今回、トヨタと同じDCM(Data Communication Module:車載通信端末)も使うっていうこともありますもんね。
藤原 そういういろいろなことを含めて、ものすごい不明瞭な道を歩みながら、でもやらなくちゃいけなかった。で、これだけかかったと。なおかつ、これはバックエンドがいるわけですね。サーバがいて、ビッグデータの解析も必要。だから、本社側のIT系への投資、つまり先ほどおっしゃった設備投資もまた大きく増えるんです。
池田 コネクティビティの領域は、もっと統合して5社連合にしちゃったほうがいいかもしれませんね。もう基礎的な部分は全部トヨタアライアンス全体で割り勘にする方向。
藤原 トヨタさんとも今は2社でやらしていただいて、このあと誰かが入ってくるらしいんですけど、まあ、そうなっていくでしょう。
池田 どこかは言えないでしょうけどね、さすがにね(笑)。
藤原 言えないです(笑)。入ってくるでしょうけど、だけど、こういうとここそ、トヨタさんという大きな方々との連携がすごく重要になってくるんです。それにしてもマツダブランドとして避けられないユニークな領域だけは、どうしても変えざるを得ない。というとこだけでもものすごいお金がかかるのです。
池田 それは想像をはるかに上回っていました。
藤原 じゃあ、これをいかに効率的にするかって、次のステップにもう入っていかなきゃいけない。ですから、今まで「ハードウェアの物作り革新」ってやってきたけど、次はこういう異業種の方々とのやり方を変えていかないといけない。今もう次の世代に向けては、この領域をモデルベースでやるにはどうしたらいいかっていって動いてますけどね。
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