クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

変革への第一歩を踏み出したスバル池田直渡「週刊モータージャーナル」(5/7 ページ)

» 2020年01月27日 07時00分 公開
[池田直渡ITmedia]

スバルの未来技術

 さて、いろいろとべき論を具申したが、スバルが自らの未来像を語り始めたことには大賛成であり、期待が高まる。新しいことを始めて最初から満点を取れるはずもないので、一歩ずつでも前進していけばいい。

 さて、それではここから発表内容を簡単にサマリーしていこう。

 まずは図を見てもらうのが早い。トヨタと共同開発を進めるCセグSUVの電気自動車(EV)は数年以内に市場導入する。ハイブリッド(HV)については、すでに導入済みのマイルドハイブリッド(MHV)とプラグインハイブリッド(PHV)に続いて、トヨタのTHS2を縦置き用にコンバートし、水平対向ユニットと組み合わせて使う。これが20年代前半に投入予定だ。また30年代初頭には、モーターレスのクルマがなくなる予定である。

CO2削減のためのロードマップ。2030年に販売台数の40%以上を電動車(バッテリーEVとハイブリッド)とし、30年代にはエンジン車もすべてに電動技術を投入していく(SUBARU技術ミーティング資料より)

 これはつまり、欧州のCAFEに代表される各国のCO2規制への対応を説明したものだ。CO2排出量に連動するクレジット(実質的な罰金)を回避できるようになるのは、順調に売れたとして25年くらいになると思われる。

 HVについては写真を見ても分かるとおり、本来横置き用のTHSを縦置きに使うためトランスミッションの外径がだいぶ大きい。これがペダルレイアウトに及ぼす影響がどの程度になるかは少々気になる。場合によると通常とは逆にペダルオフセットが出るかもしれない。

スバルのHVシステム

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