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インタビュー
» 2020年01月28日 08時00分 公開

業務を効率化するITツールの最新事情:イスラエル発の急成長企業、WalkMeが提唱する「DAP」とは? (2/2)

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]
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WalkMeでどのようなことができるのか

 実際にWalkMeでどのようなことが可能なのかは、Friedman氏が紹介するデモを見るのが手っ取り早い。動画の1つ目がガイダンスとエンゲージメントで、2つ目がオートメーションだ。

 ユーザーが操作に戸惑ったとき、質問内容を投げると、それに沿ったガイダンスが提供される。例えば、新規アカウントが作りたかった場合にどこをクリックすれば項目が表示され、操作を完了するにあたってフィールドの情報入力が不足しているとその旨が警告される。

 また、オートメーション処理では必要最小限な情報を対話形式で伝えると、自動的にフォームを埋めて操作を完了直前まで持っていく。つまりアプリケーションの操作に熟知していない初見のユーザーであっても、マニュアル閲覧や人に尋ねることなく操作の多くを完了できるわけで、業務アプリケーションの利用ハードルがぐっと下がる効果が期待できる。

 こうしたガイダンスの作成はGUIで簡単に行えるようになっており、エディタでアプリケーション内の特定のエレメント(画像やリンク、入力フィールドなど)を指定して項目を設定するだけでよく、プログラミング言語の知識は必要ない。設定したガイドはシナリオに沿って順番に実行されるが、一方通行ではなく分岐条件を設定することもできる。例えば、入力項目が不足していた場合にステップを戻すなど、シナリオに応じて柔軟に対応可能だ。こうしたシナリオの設定はWalkMeの販売パトーナーとなっている企業への依頼のほか、情報処理部門を自ら抱える大手企業などでは自作することも可能だろう。

エディタでWebアプリケーションのエレメントを指定し、バルーンに表示するメッセージを記述する
シナリオの設定では単純なステップ実行だけではなく、条件分岐などの複雑なシナリオも想定可能

 管理者向けに提供される分析ツールも強力だ。ガイダンスなどを通じて収集されたユーザーのアプリケーション利用動向は、インサイトの画面を通じて時間や場所の視点で解析できる。シナリオ単位の分析では、どのステップでユーザーがつまづいているかといったポイントも分かりやすく図示されるため、ガイダンスの改良やアプリケーション自体の改善など、さまざまな形で活用可能だ。

 また、各アプリケーションの利用状況を一覧できるため、「何十も契約しているサービスのサブスクリプションが本当に全てのユーザーに必要なのか?」「会社として利用を推進したいアプリケーションが思ったほど活用されていないが、どうするべきか」といった点で、企業の情報戦略の担当者であるCIOの視点からアプリケーションの再考を促せる。

 Friedman氏は「どの企業ユーザーであっても、単一のCRMアプリケーションのみということはないだろう。複数のアプリケーションをまたいで遷移できる仕掛けを提供できているのはWalkMeだけで、この点が強みであり、ベストなガイダンスツールと考えている理由だ。ユーザーが重視するのは単一のアプリケーションの操作ではなく、プロセス全体という点にある」と述べている。

インサイトの表示例
インサイトでは各ガイダンスのステップ毎の実行状況分析も行える
企業内で利用される全てのアプリケーションの稼働状況もユーザーの操作を通じて取得できる

 前出のように、WalkMeの日本進出はプライマリー市場である米国と、セカンダリーに相当する欧州やオセアニアのような他の英語圏に次ぐ、3番手のタイミングにあたる。

 こうした理由についてFriedman氏は「日本は潜在的な市場が大きい半面、スタートアップ企業が直接オフィスを開設するにはリスクが大きいという問題がある。そこで日本オフィス設立にあたってはジョイントベンチャーによる共同事業とし、言語やビジネス習慣の違い、そしてタイムゾーンの差異による問題を吸収することにした」と語る。製品の展開にあたっては4大コンサルティング企業などを中心にパートナービジネスを仕掛けている。これは世界的な方針で、1つには顧客への接触機会を広げる効果のほか、ガイダンスを含む機能の実装にある程度人手を必要とするという製品上の特性がある。

 「日本では名だたる企業が多くある一方で、人口減少という社会問題や、アプリケーションのユーザー体験が悪いという潜在的な課題がある。これらをユーザー体験の改善で解決し、今後のワークライフバランスの向上につなげていきたい」(Friedman氏)

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