経営学者として有名な大前研一氏も、自身の会社の上場時にはこの利益相反取引で幹事の証券会社と一騒動あったという。
ビジネスブレイクスルーという学校を上場させた大前氏は、その学校の授業を自身が保有する別の会社の教室で行っていた。当然、教室の利用料を払うことになるが、上場している以上は大前氏以外にも株主はいる。つまり自身の会社に支払いを行えば利益相反となる。そこを指摘されたという。
他に最適な教室はなかったため、上場時には適切な価格であることを開示して乗り切ったが、東証一部くら替えの際には再度問題になりそうだという。
この点について、大前氏は利益相反取引に問題がないと主張しているわけではなく、情報開示をして株主が判断すべきことだと説明している。大前氏自身の話なので多少は割り引いて読む必要はあるが、他に最適な教室がなく不当な価格でないことを開示すれば、あとはその経営判断を株主が認めるか? ということで確かに問題はないだろう。
仮に問題があれば、監査役や監査法人が指摘をすればいい。つまり大前氏は順守ではなくとも説明すれば事足りる、と主張しているわけだ(出典・天下の悪法が招いた「起業数激減」の行く末 プレジデントオンライン 大前研一 2012/01/16)
繰り返すが、事実関係が不明なためサウジルート、オマーンルートについて断定できない面は多々あるが、ゴーン氏が利益を得ていたらただちに違法というわけではない。ゴーン氏の周りにいた役員がやるべきは、ゴーン氏を検察に突き出すことではなく、情報開示をゴーン氏に迫ることだった、ということも十分にあり得る。ゴーン氏が国外逃亡した現在でも200億円もの費用が発生している以上は、逮捕・起訴が適正だったのか日産の株主には知る権利がある。
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「ほら、日本ってめちゃくちゃでしょ」 ゴーン氏の逆襲をナメてはいけないCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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