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» 2020年06月24日 08時00分 公開

動画面接にもAIを活用:エントリシートの評価が大変→AI導入で「作業時間75%削減」 ソフトバンクの攻める採用活動 (1/4)

ソフトバンクの人事部門は2017年度から、エントリーシートの評価にAI(人工知能)を活用。作業時間を75%削減するなど成果を挙げている。20年度の新卒採用からは、1次面接に相当する「動画面接」の評価にもAIを導入した。AI導入で苦労したポイントは何だったのか。

[吉村哲樹,ITmedia]

 毎年500人前後の新卒採用者と、400人前後の中途採用者が入社するソフトバンク。店舗の販売クルーも含めると、毎年約1600人の人材を新規採用している。業務を効率化するため、同社の人事部門は2017年度から、エントリーシートの評価にAI(人工知能)を活用。20年度の新卒採用からは、1次面接に相当する「動画面接」の評価にもAIを導入した。

作業時間を75%削減、担当者ごとの評価のブレもなくなる

photo ソフトバンクの杉原倫子氏(人事総務統括 人事本部 採用・人材開発統括部 人材採用部 部長)

 AIを活用する背景について、ソフトバンクの杉原倫子氏(人事総務統括 人事本部 採用・人材開発統括部 人材採用部 部長)は次のように話す。

 「当社は通年採用やインターンシップ、オウンドメディアを通じた積極的な情報発信など、さまざまなチャンネルを通じて多様な採用活動を行っていますが、2年前から採用活動全体の方向性を大きく転換しています。従来はマス向けのアプローチを重視しており、より多くの応募者を集めてその中から選抜することに注力してきました。しかし2年前からは方向性を変え、マス向けアプローチに投入するリソースを減らし、欲しい人材に対してこちらから能動的にアプローチする『攻めの採用活動』にその分多くのリソースを投入するようになりました。これによって、より多様な人材を採用できるようになりました」

 攻めの採用活動のリソースを確保するために、同社はここ数年、採用活動に先進テクノロジーを積極的に導入して業務の効率化や省人化を進めてきた。その最初の成果が、17年5月に始めた「エントリーシートの評価におけるAI活用」だった。

photo エントリーシートの評価に掛かる作業時間を75%削減できたという=ソフトバンク提供の資料より

 それまでは、学生から送られてきた大量のエントリーシートの1通1通に、人事部門の担当者が目を通しており、膨大な労力がかかっていた。そこで、IBMのAIシステム「IBM Watson」にエントリーシートを読み込ませ、自動的に合否を判定する仕組みを導入した。

 「この仕組みを導入することで、エントリーシートの評価に掛かる作業時間を75%削減し、攻めの採用活動により多くの時間を割り振れるようになりました。担当者ごとの評価のブレも排除できるため、均一な評価基準に基づき合否を判定できるようになりました」(杉原氏)

 AIが合格と判定した応募者は無条件に次の1次面接へと進むが、AIが不合格と判定した場合は、必ず人間の担当者が再度内容をチェックし、あらためて合否を判断するようにしている。このように、AIの評価だけで不合格と判定されることが絶対にないよう、ルールを徹底しているという。

1次面接に相当する「動画面接」の評価をAIで自動化

 次に目指したのが、新卒採用の1次面接に相当する動画面接の評価を、AIで行うという取り組みだ。ここでいう動画面接とは、ソフトバンクの人事部門があらかじめ用意したいくつかの質問に対し、学生がプレゼン形式で回答。自らその様子をスマートフォンなどで撮影し、動画ファイルをアップロードして提出するというものだ。ソフトバンクの採用担当者は、これらの動画を見て評価・合否判定を行う。

 この動画面接の仕組みは、18年からインターンシップの選考で活用していた。

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