だから原則論として、原価低減ができないのはチームとしては少々まずい。もちろん投資と回収のサイクルもあるので、今がたまたま投資期であり、先々にこれを上回る回収ができるのであれば、それは戦略の内である。そういうところをスバルはなかなか開示してくれないので、書き手としては、スバル個社のこの局面について正確な判断がつきかねるのだ。あくまでも原則論として、原価低減は企業の競争力の根底であり、日々原価は下がって行くべきだとだけ言っておく。
ということで、今回はスバルの決算が良すぎて、分析したくてもこれ以上書くことが無い。
本文で触れた様に、研究開発費は本当にこれでいいのか? そして原価低減の努力は徹底して行っているのか? その2点だけが気になる。
今年はレヴォーグがデビューする。これに搭載されるといううわさのダウンサイジングターボの実力がどういうものか。そしてTHSを導入したストロングハイブリッドの走りはどうなのか?(「変革への第一歩を踏み出したスバル」参照) CAFEやZEVに対応していくための、新技術による数多くの局地戦が待っている。
2020年は、好決算をばねにして、スバルがそうした諸問題をクリアしていけるかどうかが問われる年でもある。
1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。
以後、編集プロダクション、グラニテを設立し、クルマのメカニズムと開発思想や社会情勢の結びつきに着目して執筆活動を行う。コメント欄やSNSなどで見かけた気に入った質問には、noteで回答を行っている。
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