3年で売上2倍に! ミズノのワークビジネスが、伸びている理由水曜インタビュー劇場(現場公演)(3/6 ページ)

» 2020年08月26日 07時30分 公開
[土肥義則ITmedia]

ワークシューズの売り上げは好調

石田: 私もそのように思っていたのですが、全く違っていました。現場からは「そんなに簡単にできるモノではありません」と言われまして。また、耐久性の問題も出てきました。スポーツシューズの場合、1試合だけで履きつぶすようなモノもあるのですが、ワークシューズは違う。会社の経費であったり、個人で購入したりするので、耐久性がなければいけません。と同時に、履いていて快適さもなければいけません。

 そんなこんなで簡単に完成することはできなかったのですが、従来の工場ではなく違うところにお願いして、なんとか完成することができました。

ワークシューズ開発にあたって「先芯」を入れることに苦労した

土肥: 商品ができて、ホームセンターの棚に並んだわけですが、当初の売り上げはどうでしたか?

石田: 「ミズノがワークシューズを出したの?」といった物珍しさもあったのかもしれません。商品を手にして、「軽いなあ」「クッション性がよさそうだなあ」と感じ、「試しに買ってみるか」と思われたお客さんも多かったのでしょう。初年度の売り上げは7億円ほど。その後も順調に伸びていきまして、19年は17億3000万円に。

 ワークシューズを販売した当初は、個人のお客さんを中心に展開してきました。ただ、その後は、企業向けにも取り組むようになりまして。とある会社の人に「一度、履いていただけませんか?」と持っていき、それから何カ月か経ち、その人の足元を見ると、当社の靴を履いている。なぜ履いているのか聞いたところ、「楽だから」という答えが返ってきました。

 また、靴底に注目しました。その会社が支給していた靴と当社のモノを比べると、靴底の減り具合が全く違っていたんですよね。当社のモノは、スポーツシューズでも使用しているラバーを採用しているので、耐久性がありました。「履きやすくて、長持ちする」ということで、会社採用につながりました。

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